今まで読まなくてごめんね、と謝りたくなった小さな名作 Forgive Me, Leonard Peacock

著者:Matthew Quick
ペーパーバック: 304ページ
出版社: Little, Brown Books for Young Readers
ISBN-10: 031622135X
発売日: 2014/7/1(オリジナルは2013/8)
適正年齢:PG12(中学生以上、性的話題はある)
難易度:中級〜上級レベル(文章そのものは難しくないが、日常的な表現のほうがわかりにくいかも)
ジャンル:YA/青春小説
キーワード:虐め/性的被害者/自殺願望/他殺願望/銃/親子問題/孤独感

18歳の誕生日の朝、Leonard Peacockは通学用のバックパックにプレゼント4つとナチス・ドイツの拳銃P-38を詰める。

離婚した両親はどちらも自分の誕生日を覚えていない。誰からもプレゼントはもらえないから、代わりに自分にとって大切な人々へのプレゼントを用意した。それらを渡し終えたら、最後にP-38でかつての親友を銃殺し、その後自分を殺す。それが今日の予定だ。


Leonard は、ずっとこの日を待ってきた。終えてしまったら、きっとスッキリするだろう…。

 

この小説を読み始めたとき、私はLeonard のことを「典型的な高校の銃乱射事件の犯人」として冷たい目で見ていた。自己中心的で、目の前のことしか見えず、何にでも怒りを覚え、その怒りを無差別テロで発散しようとしているのではないかと。

だが、読み進めるうちに、Leonard が「普通のこども」なのだということがわかってくる。18歳でも、まだ親や教師に理解され、友だちと繋がり、愛されたい普通の子どもなのだ。

自殺願望があるけれど、本当は誰かに救って欲しい。本当は生き延びたい。その心の叫びがだんだん聞こえてくるようになる。

そこが著者Matthew Quickの優れたところだ。The Silver Linings Playbook (『ジャンル別 洋書ベスト500 』にも含めた)でもそうだったが、現実社会で誤解されがちな人々の心の中に、すんなりと読者を招き入れる。

この本を読むと、周囲の人々をもっと理解しようと思うようになる。

できるかどうかは別として、そういう気持ちにさせてくれるこの本をもっと多くの人に読んでほしいと思った。

タイトルはForgive Me, Leonard Peacockだが、これまで読むのを後回しにしてきたことについて「Forgive Me」と言いたくなった。

 

 

コメントを残す