著者:Maggie Stiefvater(日本語版ではスティーフベーターになってますが、本人によると、スティーヴオターと発音するらしいです)
ハードカバー: 439ページ
出版社: Scholastic Press (2016/4/26)
ISBN-10: 0545424984
発売日: 2016/4/26
適正年齢:PG13(ヤングアダルト)
難易度:上級レベル(ファンタジーを読み慣れている人なら難しくない)
ジャンル:YAファンタジー/ファンタジー
キーワード:The Raven Cycle4部作
いつものことだが、Maggie StiefvaterをYAファンタジー作家と呼ぶのは気がひける。
ほかのYAファンタジーとはまったく異なる作品を書く人だから。
YAファンタジーの問題は、売れるフォーミュラに従いすぎることだ。
分野がバンパイアものから近未来ディストピア、17〜18世紀くらいのエキゾチックな異国の戦いに移り変わっても、主人公や主要人物はステレオタイプだし、ストーリーラインも似通っている。
だが、Maggie Stiefvaterは、世間の流行を無視した独自の物語を提供してくれる。
登場人物もステレオタイプではない。
(彼女を一躍有名作家にしたのは、狼人間とロマンスを扱ったShiver三部作で、皮肉なことに、私にとっては一番つまらないStiefvaterの作品)
The Raven Cycleの一部『The Raven Boys』が始まったとき、「これが最高作品!」と思い、Stiefvaterに会ったときにそう伝えた。だが、続編の『The Dream Thief』が出た時、「これが最高作品」と思い直した。
三部の『Blue Lily, Lily Blue』も期待を裏切らなかった(忙しくて、レビュー書き損ねたまま)。
ゆえに、完結作の四部『The Raven King』を読むのは、はっきり言って怖かった。
なんせ、一部の最初にすでに終わりが予言されているからだ。
その予言を実現させながら、どうやって読者の期待を裏切らずにこの複雑な大作を終わらせることができるのか?
4月に発売されてすぐに読んだのだが、はっきり言って怖かった。
読了した直後の感覚は、「安堵」だった。
3部までの展開に比べると、意外性が少なく、都合が良い展開もあった。
けれども、The Raven Boysのキャラクターを根こそぎ変えるようなことはなく、暖かな、希望に満ちた終わりを提供してくれた。
また最初から読み直したくなる大作なので、まだの人は最初から挑戦していただきたい。
P.S. 4月にキンドル版ですでに読んでいたのですが、5月末にBEAで著者からサイン本いただきました♡
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レビューをどうもありがとうございました。ついに完結しましたね(感涙)
私も渡辺さんと全く同じ意見で、ご都合主義がちょっとだけ残念なものの、これしかないという見事な収束だったと思います。
Ronanを主人公にした新たな三部作を執筆中とのこと、狂喜乱舞しつつ、少なくとも3年以上先になるだろう完結までまた待たなくてはいけないのかと思うと・・
渡辺さんは本の続編を待ちきれない時、どう対処していますか?
Ronanは一番おもしろいキャラなので、すごく楽しみですよね。
続編を待つのはほんと嫌なものですが、幸い、読みたい本が沢山あるので、あまり気にせずにいられます。
それより、待つ時間が長すぎると詳細を忘れているのが残念です。
それと、情熱を忘れてしまっていることもあります。Red Risingは2巻目までの勢いをなくして、3巻目読み切れてません(苦笑)。そこで、全部出てから読むシリーズもあります。
ハリー・ポッターの最終巻が出たときには、その前に最初から全部読み直しましたけれど、最近は忙しくて。。。
全部出るまで待つのはいい考えですね!Ronan-centered trilogyには真剣に検討します(笑)ハリーポッターを読み直したなんてすごいです・・・ただでさえ感動のエピローグではものすごく感慨深かったでしょうね