マイケル・クライトンのジュラシック・パークへのトリビュート的なテクノスリラー+殺人ミステリ Extinction

 

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作者:Douglas Preston
Publisher ‏ : ‎ Forge Books
刊行日:April 23, 2024
Hardcover ‏ : ‎ 384 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 0765317702
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0765317704
対象年齢:一般(PG15)
読みやすさレベル:7
ジャンル:テクノスリラー、ミステリ、SF
テーマ、キーワード:絶滅種の復活、テクノロジーと倫理

コロラド州のロッキー山脈にあるErebus Resortは、遺伝子操作で復活したWoolly Mammoth(ケナガマンモス)、Irish elk (ギガンテウスオオツノジカ)などの絶滅種が自由に彷徨う大自然の中でキャンプができるという特権階級向けの閉じられたリゾートである。その地で、世界でトップクラスの大富豪の息子とその妻が誘拐殺人される事件が起こった。

最初は遺伝子操作に反対する環境テロリストの犯行が疑われたが、コロラド州捜査局(Colorado Bureau of Investigation)の捜査官Frances Cashと地元の保安官James Colcordは、Erebusのオーナーと息子を失った大富豪が何か重要なことを隠していることを疑う。

しかし、コロラド州捜査局や知事は自分たちの政治的な立場を優先し、CashとColcordを援助しようとはしない。また、事件の解決を求めているはずのErebusはかえって捜査を妨害する。それでも真相を突き止めようとするCashとColcordは数多くの敵を作り、危険な状況に追い込まれる…。

作者のDoublas Prestonは小説家としてもベストセラー作家だが、ナショナルジオグラフィックやスミソニアン、ニューヨーカーマガジンなどで自然科学や旅行などのトピックで長年ノンフィクションの記事を寄稿してきたジャーナリストでもある。幻の古代都市「猿神王国」を探し求めてホンジュラスの密林を探検した体験を書いたThe Lost City of Monkey Godは私が大好きなノンフィクションだ。

彼は絶滅種や絶滅種の復活についての議論にも詳しいので、このテクノスリラーはSFでありながらもリアリティがある。科学を学んだ背景がある部分でも、ダグラス・プレストンはジュラシック・パークの作者マイケル・クライトンとよく似ている。

絶滅種を復活させたリゾートというと誰でもジュラシック・パークを連想するだろうが、この本に出てくる会話のように「ジュラシック・パークではない」。ジュラシック・パークでは恐竜が重要な役割を果たすが、この本ではマンモスやギガンテウスオオツノジカなどは脇役である。では誰が主役なのかというと、それはネタバレなのでここには書かない。

テクノスリラーとしては「画期的」というところまではいかないが、冒険とスリルたっぷりのページターナーである。

ところで、「エボラ出血熱」についての最も有名なノンフィクション『ホットゾーン(The Hot Zone)』の作者リチャード・プレストンは、本書の作者ダグラス・プレストンの兄である。兄弟が子どもの頃には近所を自由に冒険して、数々のいたずらをし、地元の警察で悪ガキとして有名だったらしい。作家としての兄弟の活躍を見ると、冒険心や創造力を育てるためにはどんな早期教育よりも子供時代の自由な遊びが有効だと思えてくる。

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