Category: 売れてるけど駄目な本

ミステリを読み慣れている読者には物足りないかもしれない2019年の話題作 The Silent Patient

作者:Alex Michaelides(デビュー作家) ハードカバー: 325ページ 出版社: Celadon Books ISBN-10: 1250301696 ISBN-13: 978-1250301697 発売日: 2019/2/5 適正年齢:PG15(一般向け) 読みやすさ:6(大人向けの小説としては非常に読みやすいし、理解しやすい.長編小説に挑戦したい英語学習者にオススメ)…

ソーシャルメディア時代に爆発的に売れている詩集への愛と非難 Milk and Honey

作者:Rupi Kaur ペーパーバック: 208ページ 出版社: Andrews McMeel Publishing ISBN-10: 144947425X 発売日: 2015/10/6 適正年齢:PG15+ 難易度:初級+〜中級 ジャンル:詩集…

極左から極右に変身した論客が(図らずも)暴くトランプ政権のアジェンダ 『Big Agenda』

著者:David Horowitz ハードカバー: 188ページ 出版社: Humanics Pub Group ISBN-10: 1630060879 発売日: 2017/1/17 難易度:中級(ストレートな文章。センテンスが短い。ネイティブなら小学校高学年で理解できるレベル。ただし、単語は調べる必要あり) 適正年齢:PG15 ジャンル:エッセイ(政治)…

ガールパワーの方向性が間違っているんじゃないかと思う啓蒙回想記 Love Warrior

著者:Glennon Doyle Melton ハードカバー: 263ページ 出版社: Flatiron Books ISBN-10: 1250128544 発売日: 2016/9/6 適正対象:R(大人の女性向け) 難易度:中級レベル(シンプルな文章) ジャンル:回想記、自己啓発…

GoodreadsのChoice Awardsが信頼できない理由

今年も、GoodreadsのChoice Awardsが発表された。

今年最大の「ゴーストライターの名前をちゃんと併記しろよ!」的自伝

オバマ大統領就任をきっかけに、読むに耐えられないようなくだらない保守派の本がベストセラーになり始めたのは、これまで本を読まなかった人々が読書を始めたということなのでしょう。考えようによってはめでたいことです。 彼らが11月17日の発売を待ちきれずにAmazon.comに注文しているのが、共和党の副大統領候補だったSarah Palinの自称自伝のGoing Rogue(ゴーストライターに「私はね…」と話しただけでPalin本人は一字も自分で書いてはいない+真実よりも創作が多いと思われる回想)です。1ヶ月も前だというのに既にAmazon.comでトップに躍り出ています。 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0061939897 興味深いのは、この本がKindleほか電子書籍では販売されないということです。 TheBigMoney.comのWhy Gig Books Still Matterという記事によると、有名人の伝記はその人の強力なオーラを伝えるオブジェ、つまりtalisman(護符)としての価値が高いので、「読む」ことより「持つ」ことに意味があるらしいのです。電子書籍では読んでいるときに他人に見せびらかせないし、コーヒーテーブルの上に飾ることもできません。ですから本として買う人のほうが多いわけです。9.99ドルという廉価な電子書籍にしなくても十分売れることがわかっているから、出版社は強気で「紙媒体のみ!」と決断できるのです。 ところで冒頭で人々が「読書を始めた」と書きましたが、訂正する必要があります。護符として本を買っているのだとしたら、読む必要はないわけです。だいいちPalin本人は1字も自分で書いていないのですからね。まともな人ならゴーストライターの名前を(小さくても)表紙に出しますが、Palinの本にはそれが見当たりません。そうですね。護符ですから仕方ありません。 でも、ゴーストライターへの同情は無用です。Gawkerなどによると、Lynn Vincentは、これまでキリスト教保守派の福音主義に基づいたちょっとオツムの調子を疑うような記事を書いてきたジャーナリストらしいのです。この最強のチームが書いたGoing Rogueは、ノンフィクションではなくフィクション(パラノーマル・ロマンス)として読むとがぜん面白くなるかもしれません。…

避けるべきニューヨークタイムズ紙ベストセラーの本

新しいカテゴリーの誕生です。 その名も、「避けるべきニューヨークタイムズ紙ベストセラーの本」。つまり、マーケティングのせいで売れているけれど、読者評価がめちゃくちゃ悪い本です。(または宗教的に偏っているために売れている本なども含める予定)。 栄えある1回目に選ばれたのは、今週のニューヨークタイムズ紙ベストセラー14位、Raymond KhouryのThe Signです。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0525950974&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ベストセラー作家による地球の温暖化、宗教クレージーなアメリカ人批判、ブッシュ大統領批判のスリラー、とだけ聞くと面白そうですが、残念なことにそのメッセージばかりで肝心のスリラーとして失敗しているようです。これまでも神を否定する本はアマゾンの評価が下がる傾向はあったのですが、この本に関してはそればかりでもないようです。主人公のキャラの信憑性がなく感情移入できないこと、そしてアクションばかりで深みがないことなどが悪評の原因のようです。