Category: 本と出版に関する裏ばなし・雑談
マサチューセッツ伝統校での都市伝説の元凶は?
1635年に設立されたBoston Latin Schoolは、アメリカで最も古い学校です。多くの有名人を生み出したこの由緒ある学校で、最近「人間との混血のバンパイアの生徒がいる」という奇妙な都市伝説が広まっているというのです。そこに警察が別の用件で学校を訪問したものですから、「生徒がバンパイアに噛まれた」とか「バンパイアが逮捕された」といったとんでもない噂がいっきに広まり、ついに校長が保護者と生徒へ公式通知を書く羽目になりました。でも、これが新聞沙汰にまでなったのは、吸血鬼なんか信じるとは思えない秀才が揃ったBoston Latinでの出来事だったからでしょう。もちろんバンパイアなんているはずもなく、噂の元凶は何人かの女子生徒がgoth(ゴス、またはゴシックファッション。写真はwiki-mediaより)の女子学生を苛めるための嫌がらせだったようです。学校側は「いじめはない」と説明していますが、取材で”吸血鬼”の子たちは「青白くなるために血を抜いている」という噂を口にする生徒がいるのですから、都市伝説はすぐには消えないでしょう。 こういう都市伝説が生まれるのはアメリカでTwilightをはじめとしたバンパイア・ブームがあるからでしょう。バンパイアだけでなくパラノーマル・ファンタジーが、特にヤングアダルトとロマンスブックの分野でブームになっています。生粋のロマンスブックではファンタジーの要素はエロチックロマンスのためにこじつけられた感じなので、個人的にはそれらをファンタジーとは呼びたくないのですが……。どちらにしても、ファン層は圧倒的に女性です。今日は巷にあふれるパラノーマル小説を代表するベストセラーを(人気の順に)ご紹介します。 1.Twilightシリーズこれは言うまでもありませんよね。ご興味ある方は本ブログの書評をごらんください。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0316015849&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 2.Southern Vampire Mysteriesシリーズ(第一巻 Dead Until Dark)これは、大人のロマンスブックとミステリーが融合した作品。 あまりにも人気があるので試してみたのですが、個人的には登場人物と文章ががさつで好きにはなれない本でした。人の心が読めるウエイトレスのSookieとバンパイア、狼人間、シェープシフターといったホットな男性たちとのロマンスにミステリーとアクションが加わったものです。1巻ずつ一応完結するミステリーの形をとっていますが、基本的には大人のロマンスブックなのだと思います。TV番組「True Blood」は本よりもさらに過激とのこと。 本格的なミステリーやゴシック作品、文学を求める方には決しておすすめできませんが、軽く読み捨てられる娯楽作品を求める方は、簡単な英語なので試してみると良いかもしれません。アダルト度は★★★★★。…
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これから出る注目の新刊- The Match King: The Financial Genius Behind a Century of Wall Street Scandals
ねずみ講に似た巨額詐欺で現在世界的に注目されているMadoff事件ですが、これはMadoff詐欺を含め、現存するすべてのPonzi Schemeの大元となるコンセプトを作り上げ、1920年代に巨額の富を築き上げたIvar Kreugerの実話です。「投資者心理のマスター」であった彼がいかにして現在のデリバティブの前身となるものを作りあげたのか、それがわかる注目の本です。歴史書としても好奇心をかきたて、ベストセラーの予感がするノンフィクションです。5月発売の予定。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1861979665&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=1586487434&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1
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ファンの苦悩-King Killer Chronicle第2作はいつ発売されるのか?
本ブログに書評を載せているThe Name of the Wind: Day One (The Kingkiller Chronicle)は、「ファンタジーなんか読まない」と決めている純文学ファンでさえ魅了する超すぐれものファンタジーです。去年のクリスマス、アメリカ人の高校生の甥にThe Name of the Windをプレゼントしたところ、「すっごく面白かった!ありがとう」という電話がかかってきました。父親と半年以上口をきいていない彼が自分から電話をかけてくるなんて前代未聞のことです。ファンたちが待ちに待った第2作「The Wise…
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不況の時代だから売れるベストセラー
これからの不況の時代に売れる分野は、たぶん「経済」と現実逃避のための「娯楽作品」でしょう。ということで、現在よく売れている経済関係の本ですが、それらは以下の二つの分野に分かれます。 A:現在と未来の国内外の経済状況を理解するための本B:個人の経済状況を改善するハウツー本 まずは、 A:現在と未来の国内外の経済状況を理解するための本 1.Melt Down http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=1596985879&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 先日ご紹介したこの本は、22日現在でアマゾン27位。この分野で最も売れている本です。読者評価も現在のところこの分野では最も良いようです。 2.When Giants Fall http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=047031043X&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 これもMelt Downと同じく2月9日に発売されたもの。米国というジャイアンツが崩壊するとどうなるか、という未来を予測する内容。作者はイギリスHSBC、ソロスファンド、オランダABNアムロ銀行、ドイツドレスナー銀行、アメリカJPモルガン・チェースなどで25年間勤務した投資専門家のマイケル・パンズナー。現在の金融崩壊が起こる前に著書Financial Armageddon(翻訳版「金融ハルマゲドン」)でそれを予告したことで知られています。けれども、両書とも、読者は狭い情報から結論を導きだしていることや表層的な分析を批判しているようです。Melt Downほど良い反応は得ていません。…
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今週のニューヨークタイムズ紙ベストセラー(ノンフィクション・ハードカバー編)
今週のNYタイムズ紙ベストセラーのノンフィクション・ハードカバーにはあまり動きがないので、今週16位に入った注目の作品のみご紹介します。 Meltdown: A Free-Market Look at Why the Stock Market Collapsed, the Economy Tanked, and…

