Book Expo America報告-ツーリスト体験

BEA 09の第一日目にプロのニューヨーカー半日体験で見事に失敗したので、二日目の土曜日は「おのぼりさんツーリスト体験」に切り替えました。私にはこっちのほうがあっていたみたいで、偏頭痛は薬なしにすっかり解消!寝不足でも元気に楽しめました。

昨日ゲットした本のひとつは本ブログで何度もしつこくお話したGraceling のprequelであるFire. これは10月に発売予定なので、娘とその友達から感謝されること間違いなし!もうひとつ、これも彼女たちが好きな作家Libba Brayの9月発売予定の新作Going Bovineの獲得にも成功しました(こんなことで喜ぶこと自体が悲しい今年のBEAです)。

さて、不況の中で各出版社が新たにエネルギーを注いでいるのがYAファンタジーの分野です。Twilightの影響でどこもかしこもパラノーマルロマンス。かのハーレクイーン社も新たにHarlequin Teenというセクションを設けたようです。これについてもまた後ほど詳しくお話します。

また、ふだんニューヨークタイムズ紙ベストセラーで名前をよく見かけるけれども私の好みの分野ではないので読んだことがないロマンス作家のSherrilyn Kenyonがブースでサイン会をしているのをみかけたので、「ちょうどいいや」と試してみることにしました。お話ししてみると、とっても感じの良い女性。私はけっこう作家のキャラにひかれて読む人なので、ちゃんと読んでみようと思いました。

Wiley社のブースで出会ったのがうちのダンナの知人のMark Levy。彼の本は邦訳もされています。また、Markはマジックの天才で、Wiley社のMagic for Dummies のクリエーターでもあります。

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Markに、「昨夜Party Pooperになってしまったので、もう二度と誰も誘ってはくれないだろう」と話したところ、「あぁ、Cakeに行って早く帰ったっていうのは君たちのことだったのか」と悪評はすでに広まっている様子。でも心優しいMarkは、「じゃあ、Magicショーはどう?僕がクリエイトしたショーがあるのだけれど」と少数限定の「Chamber Magic」なるものに招待してくれました。

Markがクリエイトしたショーは、昔の王族、貴族が厳選した友人たちとともにChamberでマジシャンのショーを楽しんだ形式のもの。昔サウジアラビアの王子が住んでいたというThe Waldorf Towersの王宮を思わせるプライベートな部屋で少数の人々たちだけでマジックを楽しむというものです。1回のショーに入れるのは40人まで。全員正装してくることを要求されます。タキシードやカクテルドレスでおめかしするのも楽しみのひとつ。一晩だけでも貴族の気分が味わえます。下は、CBSテレビで放映されたものです。

The Millionaires’ Magicianと呼ぶだけあって、Mr. Steve Cohenのごひいきにはアラブの王族、大富豪のWarren Buffett, 映画監督/俳優のWoody Allen, モナコ王妃、と有名人がずらり。トランプのマジックを目前で見せてくれるだけでなく、心霊師のような驚くマジックも。ショーの途中でいきなり私を指さして、「そこのあなた、今日Javits Centerにいませんでしたか?」と言うのには驚きましたね。テクニックもさることながら、ユーモアたっぷりで笑いが絶えません。ゆっくり話してくれますので、英語にさほど慣れていない方にもわかりやすいと思います。

ニューヨーク市にいらしたら、ぜひぜひおめかしして体験してみてください。特別な体験ができますから。

Book Expo America中間報告-ニューヨーカー体験

Book Expo America2009年第一日目金曜日の印象は、「不況~!」。

無料で配られるARCsが最大の魅力だというのに、大手出版社も含めてほとんど無料配布をしていないのです。おおっぴらに配らないだけでなく、ふだんだったらプレスに対しては「どうぞ、どうぞ、これもお持ちください」という感じなのに、「ご希望のものがあれば、後で送りますから名刺を残してください」という慎重さ。絶対に入手してやるぞ!と決意していたThe Hunger Games の続編Catching Fireは私が到着した正午には1日分がなくなっていて、「明日来て」と言われたのですが、「それをなんとか。。。」としつこくお願いしてようやく入手しました。それも、「このサイン(表紙の鳥のマーク)は何?」というテストつき。なんとか合格しましたが、そんなのって初めてですよ!私の元義理の妹で図書館員のジェンは、「こんなにひどいBEAは初めて。1日を無駄にした」と憤りが収まらない様子。

それでもどうにかいくつかの注目作品を入手しましたので、それについては後日ゆっくりとご報告いたします。そのうちのこれは著者2人とも「日本で売れるといいね」と語りあった私ごのみの作品です。

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コスモピア社が発行している「多聴多読マガジン」の大東さんというすてきな編集者にお会いしたのが、昨日のメインイベントでした。これについてもまた後ほど。

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ボストン近郊の森の中で野生の鹿とターキーに囲まれて生活している田舎者の私には、ニューヨーク市の編集者たちの生活はまるでSFか近未来ファンタジーのようです。最近はテレビでしか味わえないその生活を半日体験させていただきましたが、その結果は悲惨でした。

午後5時くらいからうちのダンナとWiley社の編集者2人のお誘いでビールを飲み始め、そこから別のバーに移って作家が何人か合流し、何人かが加わったり離れたりして、さらにビールが…。映画に出てきそうな小さくて暗いバーでは、謎の人物が私たち7人にドリンクをおごってくれたのですが、それが誰で何が目的なのか最後まで謎のまま。もうひとつの謎は、そこが「ゲイバー」かどうか。ニューヨーカーに分からないものが私に分かるはずはありません。

ようやく午後9時から徒歩でCakeのコンサートに。深夜すぎに就寝して午前3時45分に起床してNY市に来て、BEAで歩き回ったうえにこれです。足は痛いわ、途中でものすごい偏頭痛がしてくるわで、盛り上がっている人々を後に早退宣言をし、すっかりParty Pooperになってしまいました。ダンナは「二度とつれてこない」と密かに決意したようです。

日本の編集者の方々もそうですが、みんな面白い「ここだけの話」が豊富で、夜が深まるほど元気です。お酒のんでるふりで炭酸水を飲んでいたら、「どうして飲まないの?」とおしかりを受けてしまうし、やっぱりこの仕事はタフでないとできないのだと実感しました

壁に閉ざされて忘れ去られた花園に潜む家族の謎-The Forgotten Garden

Kate Morton
Atria
2009年4月7日(米国)
文芸小説/歴史小説/ミステリー

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1913年、幼い少女が英国からオーストラリアに向かう客船にひとり取り残される。小さなスーツケースのほかに何の身分証明も持たない少女はオーストラリア人夫婦にNellと名づけられ、成人するまですっかり過去を忘れ去っていた。

(さらに…)

トルストイブームがやってくる

来年2010年は、トルストイの死去からちょうど100年。

今年には、トルストイの晩年の葛藤を描いた映画「The Last Station」が発表され、来年にはAlma Publisherから悪妻で有名なSofiaの日記The Diaries of Sofia Tolstoyが出版される予定です。映画ではあのヘレン・ミレンがSofia役だそうです。

Alma版はあまり学問的ではなく一般人に読みやすいように編集されるとのこと。レオ・トルストイの悪口がいっぱい書いてあるようで、そういう意味では現在の暴露本的ですね。

Yukari’s Review Policy

I’d love to review your book in Japanese (and sometimes in English on Amazon.com)!

Sadly, I have only 24 hours a day and can’t read everything I receive. Please check out my review policy and email me if you’d like to send me a book for review.

Looking forward to hearing from you!

– I read wide variety of books, but I don’t read, nor review any religious books.

– I cannot guarantee a positive review. I will post my honest opinion on my blog.

I post a review on Amazon.com and Amazon.co.jp only if I feel the book is worth reading( except for the books I obtain through Amazon Vine™ Program)  because I have a choice not to continue reading rather than insulting authors.

Here’s the example of my Japanese Amazon reviews and English reviews

I’m also an Amazon Vine™ Program reviewer since May 21, 2009.

If you’d like to send me a book, please email me or send direct message to my Twitter.

ブログオープン5ヶ月記念にデザインを変えてみました

ブログを開設してから5ヶ月が経ちました。ということで、ちょっと気分転換でデザインを変えてみました。ホントはオリジナルのイラストを考えていたのですが、機械オンチなものでうまくアップできなくてweep、後回しにしました。

今週末はニューヨーク市でのBook Expo Americaに参加してきます。ちょっとアップが遅れるかもしれませんが、来週は新情報を満載したいと思います。

お楽しみに!

ブログオープン5ヶ月記念にデザインを変えてみました

ブログを開設してから5ヶ月が経ちました。ということで、ちょっと気分転換でデザインを変えてみました。ホントはオリジナルのイラストを考えていたのですが、機械オンチなものでうまくアップできなくてweep、後回しにしました。

今週末はニューヨーク市でのBook Expo Americaに参加してきます。ちょっとアップが遅れるかもしれませんが、来週は新情報を満載したいと思います。

お楽しみに!

Wiley社がオンライン・マーケティングとソーシャルメディアのハウツー本シリーズをスタート

アメリカで超人気の初心者向けハウツー本シリーズ「for Dummies」でおなじみのWiley社(John Wiley & Sons, Inc)が、激しく移り変わるオンライン・マーケティングとソーシャルメディアの領域で普通の人々でも容易に始められるThe New Rules of Social Media book seriesというシリーズをスタートします。

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アイディアの主であり、著者の選択と監修にあたるのは、以下のWiley社のプレスリリースが“最も影響力を持つマーケティング戦略家のひとり(one of the most influential marketing strategists)” と呼ぶBusinessWeek 誌ベストセラー作家David Meerman Scottです(今回初めてお読みになる方には、私の夫だということをあらかじめ「情報公開」させていただきますね)。

6a00d83451f23a69e201156fb3240a970c1 シリーズ第一弾は、Inbound Marketing: Get Found Using Google, Social Media, and Blogs というタイトルで、著者はインターネット・マーケティング会社HubSpotの創始者Brian Halligan と Dharmesh Shah。発売は今年の10月の予定です。

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6a00d83451f23a69e201156fb32461970_2  シリーズ第二弾は、Get Seen: Online Video Secrets to Building Your Business というタイトルで、著者はメディア・アドバイザーでニューメディアの創作と教育を専門とするSteve Garfieldです。

Scottは今週末ニューヨーク市で開催されるBook Expo America (5月30日Wiley社のブースにて)シリーズについての会見とサイン会を行います。

感受性が強すぎる詩人の悲劇的な未来を予告するような小説-The Bell Jar

Sylvia Plath
初刊:1963年
文芸小説

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ボストン近郊で生まれ育ったEstherは、夏休みの間ニューヨーク市で(1950年代の)若い女性の憧れであった雑誌社のインターンを体験する。しかし、楽しいはずの体験にEstherは違和感を覚える。貧しいEstherは文学の才能と努力で奨学金を得てきたが、マサチューセッツに戻ると望んでいた創作講座から拒絶され、小説を書こうと思うが、自分にはその体験が欠けていると感じる。
エール大学の医学生Buddyはいわゆるボーイフレンド(ほぼフィアンセ)だが、Estherは彼の精神的な裏切りに落胆して離れてゆく。だが、Estherは失恋したわけではなく、最初から自分たちの関係をどこか遠い場所から客観的に観察していたようなところがある。
周囲の若者との社会経済的な差異や、不安定な未来、自分の才能への疑問などから、Estherはだんだん病的な鬱状態になってゆき、ついに精神科に入院する。

1932年生まれのSylvia PlathとThe Bell Jarの主人公には共通点が多く、自伝的な小説とみなされている。SylviaもEstherのようにボストン郊外で生まれ、優れた文学の才能で奨学金を得てスミス大学で学んだ。同じようにニューヨーク市で有名な雑誌のインターンを体験し、社会経済的問題に直面し、精神科病院(私の友人がインターンをした病院!)に入院したこともある。
Sylviaは小説家である前に詩人であるが、優れた才能を認められていたものの出版社からは何度も拒絶された。詩人のTed Hughesと結婚し、2児を出産するが、幸福感は得られなかったようだ。家事や育児で十分な創作活動をできない焦り、出版社からの拒絶、経済的な不安、夫の不倫関係などでSylviaは精神的に追い詰められていった。

この作品はSylviaがTedと別居して子供2人とロンドンに住んでいた1963年の1月にVictoria Lucasという仮名で出版された。本人も認めるように自伝的な小説であり、Sylviaは友人に「過去から開放されるために書いた」と言っている。評論家の好意的といえる評価をSylviaはなぜか悲観的にとらえ、その翌月故郷から遠く離れたロンドンで自ら命を絶つ。Sylviaの母と元夫のTed Hughesの意向で、アメリカでは1972年まで本名のSylvia Plath名では出版されなかった。
Sylvia Plathのもっとも有名な詩集「Ariel」は彼女の死後に出版され、The Collected Poems は、彼女の死から約20年たった1982年にピューリッツアー賞を受賞した。

●この作品について思うこと
先日「大学生になるまでに読んでおきたい本アメリカ版」でご紹介したリストの中にThe Bell Jarのタイトルを見つけて複雑な心境になりました。というのは、5-6年前にこの本を読んだときに、「学生時代に読まなくてよかった」とつくづく思ったからです。

主人公のEstherにとって周囲の世界は不必要なディテールまでがあまりにも鮮明です。むき出しの感受性で世界に触れているようなものですから、生きるのに膨大なエネルギーを要します。文体からは彼女がニヒルに生きているように感じるかもしれませんが、そうではなく、強く感じすぎるから自分を離れた場所に置いているのです。
私も16歳くらいから23歳くらいまでEstherが小説の中で体験するような人間関係への違和感、未来への不安感、そういったものを痛いほど鮮明に感じました。そのくせ、Estherのように他人が体験しているような解離感で自分の体験を観察したものです。
The Bell Jarを読んでいるうちに当時の感覚が蘇ってきて、やるせなくなりました。
あのころ読んでいたら、共鳴してしまって、もっと深い鬱の世界に入り込んでいたかもしれません。ずぶとい中年になってから読んでほんとうに良かったと思いました。
「大学生になるまでに読んでおく本」のリストには入っていますが、感受性が強い思春期の少女は避けたほうが賢明です。

●読みやすさ ★★★☆☆
詩人らしく詩的で美しい表現に満ちていますが、簡潔でもあります。難解ではないのですが、よさを理解するためには単純な表現の裏に秘められた意味を考える必要があります。速読すべき本ではありません。

●アダルト度 ★★★☆☆
生々しい表現はありませんが、セックスや自殺といったテーマを扱っていますので、高校生以上です。

●この作品を気に入った方は…
ぜひPlathの詩を読んでみてください。彼女の才能をひしひしと感じます。

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自閉症の子の兄弟姉妹たちの意見-Autism and Me: Sibling Stories

著者:Ouisie Shapiro
出版社:Albert Whitman & Company
発売日:March 1, 2009
児童書
(Amazon.comによると9~12歳用だが、私が読むかぎりでは小学校低学年向け)/写真ルポ

http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0807504874&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1
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Amazon Vine™ Programで得た本(それについてはこちらを)。
「自閉症や難病にかかっている子供と親も大変だが、その子の健康な兄弟(姉妹)がその犠牲になることが多い。親が手のかかる子=かわいそうな子に全力を尽くしているために、健康な兄弟たちは無視されているか常に『良い子』であることを強要される。そのために深刻な心理的・社会的問題を起こすことがある」と心理学者の友人から聞かされたことがあります。
それゆえ、Autism and Me: Sibling Stories(自閉症と私:自閉症児の兄弟姉妹の体験談)というタイトルと写真を見て「兄弟の視点で書いた本だ」と思いこんで期待していたのです。
送られた本は写真を含めてたったの32ページで、あっという間に読めたのはよいのですが、正直肩すかしをくったような気分でした。
自閉症の子とその兄弟姉妹が自然な笑顔を浮かべて仲よさそうに触れ合っている写真には頬が緩みますし、健康な兄弟姉妹からの「自閉症があるからといって僕の兄/姉/妹/弟は馬鹿ではない」、「弟がいてよかった」といったメッセージも自閉症を知らない子供にとっては役立つものですし、心温まるものです。たとえばこんな感じです。

I feel lucky to have a brother like Ford because I’m exposed to more things. One time we were at the beach, and we saw hermit crabs. Ford called them spiders, and I thought about how they did look like spiders. So he helps me see different points of view.

この語り手Callieは、『良い子』であることを期待されている健康な兄弟姉妹のイメージそのものです。たぶん実生活でもとっても良い子なのでしょう。でも、きっとフラストレーションがたまること、理解してほしいことはあるはずなのです。それを乗り越えたうえで、「それでも私は弟が好き」という結論に達しているのだということが、この本のどの子のケースからもうかがえませんでした。それが残念でなりません。

私がこのように感じたのは、Amazon.comのReading Levelに9-12歳と書かれていたせいもあります。9-12歳を対象にした本であればもっと複雑な心境まで掘り下げるべきですが、どう考えてもこの本は小学校低学年対象です。そう思い直してみれば、この本を学校の図書にすれば、自閉症の兄弟姉妹がいる子が気兼ねせずに自分のケースを紹介するきっかけになりますし、差別をなくすクラスのディスカッションにも使えます。そういう意味で、ぜひ小学校の図書館において欲しい作品です。日本であれば、中学校の英語の授業に使って、英語でのディスカッションに利用すると生きた英語を学ぶことができると思います。

●読みやすさ ★★★★★
★★★★★と★★★★の中間。初心者向け。Reading Levelが9-12歳と書かれていますが、絵本より少々難しい程度です。
中学校3年生くらいの英語力で十分読めると思います。