ゴミを出さない生活のススメ『Zero Waste Home』

著者:Bea Johnson

ペーパーバック: 304ページ

出版社: SCRIBNER TP

ISBN-10: 1451697686

発売日: 2013/4/9

適正年齢:PG10(小学校高学年以上)

難易度:中級レベル(フランス人の著者が書いた英語なのでシンプル)

これを読まずして年は越せないで賞候補(ちょこさん推薦)

 


フランス生まれの著者Beaは、アメリカ人のScottと出会って結婚し、カリフォルニアに移住してからは、典型的な金持ちのカリフォルニアライフを謳歌していた。だが、その生活に疑問を抱き始めたふたりは、ゴミ(waste)を出さず、無駄(waste)がない生活に切り替えることにしたのである。

大邸宅から半分のサイズの家に移り、Refuse,Reduce,Reuse,Recycle,Rotの5R生活をすることで、夫婦と息子2人のJohnson家から出るゴミは、1年にたった1リットルになった。これは凄いことである。誰でもその方法を知りたくなるだろう。

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タイムトラベルで個々の時代の「風俗喜劇」と人情を描くSF『Oxford Time Travelシリーズ』

Ned Henry

ジャンル別 洋書ベスト500』で素晴らしいSFのシリーズである『Oxford Time Travel Series』(著者:Connie Willis)の最新刊『Black Out / All Clear』をご紹介したが、紙幅の都合でシリーズの素晴らしさをしっかりと伝えられないのが残念だった。それを補うために、ここで詳しくご紹介したい。

 

Oxford Time Travel Series(オックスフォード大学史学部シリーズ)とは?

ジャンル:SF(タイムトラベル)/時代小説

適正年齢:PG12(中学生以上)

アメリカ人作家Connie WillisによるタイムトラベルSFのシリーズ。

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2013年「これを読まずして年は越せないで賞」ロングリスト候補作

 

皆さま、お待たせいたしました。今年も洋書ファンクラブ名物、「これを読まずして年は越せないで賞」の季節がやってまいりました。

受賞作が決まるのは毎年年末なので、「読む」どころか、みなさんが本を購入するまでに年が明けてしまう賞です。そういう賞ですが、もう数年ゆるゆるやってきましたので、「来年末までに読む本」ととらえて、このままお許しいただければ幸いです。

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2013年ノーベル文学賞受賞者の最新作『Dear Life』

著者:Alice Munro

ペーパーバック: 336ページ

出版社: Vintage; Reprint版

ISBN-10: 0307743721

発売日: 2013/7/30(オリジナル2012/11)

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:上級レベル(英語ネイティブの普通レベル)、ただし短編なので日本人には試しやすい。

ジャンル:短篇集/自伝的短編小説

キーワード:女性心理、人間関係、後悔、ジェラシー、許容、哀愁

文学賞:2013年ノーベル文学賞


 

短編の名手として近年ノーベル文学賞候補に名前があがっていたカナダ人の女流作家Alice Munro(アリス・マンロー)が、本日(2013年10月10日)ついに賞を受賞した。思想や政治的な要素が影響を与えることで知られるノーベル文学賞なので、思想に無関係の普通の女性の人生を描き続けてきたMunroが受賞したのは画期的なことである。(ただし、常に候補の上位に位置してきたので、意外ではない)

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現在もっともエキサイティングなYAファンタジー『The Dream Thieves(The Raven Circle #2)』

著者:Maggie Stiefvater

ハードカバー: 439ページ

出版社: Scholastic Press

ISBN-10: 0545424941

発売日: 2013/9/17

適正年齢:PG12(中学生以上、ただし、バイオレンスあり)

難易度:上級レベル(英語ネイティブの普通レベル)

ジャンル:ファンタジー/ヤングアダルト(YA)/文芸小説

キーワード:The Raven Circle #2/英雄伝説(Owain Glendower)/レイライン/霊能力/冒険/ロマンス

これを読まずして年は越せないで賞候補(渡辺推薦)


 

バージニア州にあるHenrietta(架空の町)は、古代の遺跡が直線に並ぶレイライン上にあり、大地のパワフルなエネルギーが集まっている。そこでは、ありえないような現象が、あたかも自然なことのように起こる。

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マジックリアリズムと心理スリラーの中間で凡庸になってしまった話題作『The Night Guest』

著者:Fiona Mcfarlane

ハードカバー: 241ページ

出版社: Faber & Faber

ISBN-10: 0865477736

発売日: 2013/10月(予定)

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:上級レベル

ジャンル:現代小説/心理スリラー

キーワード:加齢、犯罪、マジックリアリズム

 


70代後半にさしかかったRuthは、夫と死に別れ、オーストラリアのさびれたビーチで独り住まいをしている。息子たち二人はときおり電話はしてくれるものの、なかなか訪問してはくれない。

ある夜、Ruthは自宅にトラの気配を感じて息子に電話をかける。そして、翌朝見知らぬ女Fridaが巨大なスーツケースを持って現れる。

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思い切り笑った後にじんわりするロマンチックコメディ『The Rosie Project』

著者:Graeme Simsion

ハードカバー: 304ページ

出版社: Simon & Schuster

ISBN-10: 1476729085

発売日: 2013/10/1

適正年齢:PG15(高校生以上)、性的な話題はあるが、基本的にプラトニック

難易度:上級レベル、文章はシンプルだが、英語が堪能でないとユーモアが理解できない。

ジャンル:ロマンチックコメディ/現代小説

キーワード:ロマンス、ユーモア、アスペルガー(自閉症スペクトラム)、OCD(強迫性障害)、心温まる本


 

オーストラリアの大学で遺伝学の準教授を務めるDon Tillmanは、頭脳明晰で、社会的に尊敬される立場にあり、グレゴリー・ペックにに似ていて、合気道や空手の達人で、グルメ料理も作ってしまう。つまり、ペーパー上は「理想の結婚相手」なのだが、なぜか女性から敬遠されている。自閉症スペクトラムの一種だと思われる障害を持つDonは、社会的なシチュエーションを把握できず、女性との対応でもエビデンスベースの論理的なアプローチしかできないからなのだが、本人は肝心な部分で自覚がない。

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言葉を1000語以上知っている天才ボーダーコリーの実話『Chaser』

著者:
John W Pilley, Hilary Hinzmann(ゴーストライター)

ハードカバー: 256ページ(キンドルあり)

出版社: Houghton Mifflin Harcourt

ISBN-10: 0544102576

発売日: 2013/10/29

適正年齢:PG12(中学生以上)

難易度:中級レベル(高校英語をマスターしたレベル)、難しい単語も出て来るが、文章はシンプル

ジャンル:回想記

キーワード:犬(ボーダーコリー)、驚異的な事象、動物心理、動物トレーニング


 

ナンタケット島にある別荘にゆくたび、私は家からビーチまで5マイル(約8.4km)のジョギングを楽しむ。道中で多くの犬と飼い主に会い、立ち止まって彼らに挨拶することもある。

去年の秋、ボーダーコリー2匹を散歩させている中年女性と出会い、犬に挨拶をしながら話を聞いたところ、ボーダーコリー専用レスキューから引き取ってきたばかりだという。たしかに落ち着きがない感じで、1匹は挨拶するが、もう1匹は知らん顔をしている。「ほんとうは1匹でも大変なのだけれど2匹引き取ることにしたのは、前の飼い主から虐待されていた彼らが心を癒すためにお互いを必要としていたから」だという。

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信頼していた夫の秘密を知ってしまった妻たちの悩み『The Husband’s Secret』

著者:Liane Moriarty

ペーパーバック: 448ページ

出版社: Penguin

ISBN-10: 1405911662

発売日: 2013/8/29

適正年齢:R(成人向け)

難易度:上級レベル(だが、入り込みやすいし、理解しやすい)

ジャンル:現代文学/心理スリラー/チックリット(女性小説)

キーワード:夫婦関係、秘密、人間心理、ユーモア、ラブロマンス


 

オーストラリアのシドニー郊外に住むCeciliaは、自他ともに認める完璧な主婦である。ハンサムな夫と3人の美しい娘の要求を満たし、家を塵ひとつない状態に保ち、学校のボランティアで活躍し、困った人がいればすぐに世話にかけつけ、タッパーウエアの販売では国内でもトップレベルというスーパーウーマンだ。そんな自分と家族をCeciliaはとても誇りに思っていた。

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不利な条件を利点に転換する発想『 David and Goliath』

著者:Malcolm Gladwell

ハードカバー: 320ページ

出版社: Little, Brown and Company

ISBN-10: 0316204366

発売日: 2013/10/1

適正年齢:PG12(中学生以上)

難易度:中級レベル(高校英語をマスターしたレベル)、難しい単語はあるが。ストレートで分かりやすい文章

ジャンル:応用心理/社会学/ノンフィクション

キーワード:モチベーション、不利な条件の克服、発想の転換、成功

 


 

The Tipping Point
, Blink
,Outliers

といった話題作を次々と生み出してきたマルコム・グラッドウェルの最新作は、旧約聖書の有名な逸話「ダビデとゴリアテ(David and Goliath)の闘い」をテーマにしている。誰もが怖れるペリシテの巨人兵士ゴリアテをイスラエルの羊飼いの少年ダビデが石で打ち負かしたストーリーは、不利な条件の弱者が恵まれた条件の強者を破ることの例えによく使われている。

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