October 2013

8年ぶりのエイミ・タンの新作『The Valley of Amazement』

著者:Amy Tan

ハードカバー: 608ページ

出版社: Ecco

ISBN-10: 0062107313

発売日: 2013/11/5

適正年齢:R(成人向け、性的コンテンツあり)

難易度:上級レベル(英語ネイティブの普通レベル)

ジャンル:歴史小説(19世紀から20世紀にかけての上海)、大河小説

キーワード:courtesan(高級娼婦)、mother-daughter relationship(母娘関係)

 


Violet Minturnは、アメリカ人の母が経営する上海の高級娼館Hidden Jade Pathで育った。Hidden Jade Pathは高級娼館の中でも特別な存在であり、多くの商談が取り交わされる会員制クラブの趣があった。それを経営するVioletの母は裕福なだけでなく、ある種の権力を持っていた。権力者の娘であるアメリカ人のVioletも、母が雇っている中国人高級娼婦たちとは異なる階級に属していた。

政治が不安定になり、母のLuluは娼館を共同経営者に任せて安全なアメリカにVioletと移住することを決意する。だが、サンフランシスコへ出航する日に母の愛人の策略で14歳のVioletは母から引き離され、Madam Liの娼館に売り飛ばされてしまう。母が救出に戻ってくると信じていたVioletだが、Luluは戻ってこなかった。

最初は抗おうとしたVioletだが、自分が純粋なアメリカ人ではなく中国人との混血だということや、誰にも頼ることができない現状を、ショックで麻痺した心で次第に受け入れるようになる。

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『Anne of Green Gables』のプリンスエドワード島を(ようやく)訪問

私が赤毛のアンに出会ったのは、母が私たち姉妹のために購入してくれた『少年少女世界の名作文学』を通じてのことで、小学校1年か2年生の時でした。このシリーズは小学生向けに簡約されているもので、私が本格的にアンに夢中になったのは、詳しいほうの翻訳作品を読んだ中学生のときでした。中学校の図書館にあったモンゴメリの作品をすべて読み尽くしたのもこのときです。



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ゴミを出さない生活のススメ『Zero Waste Home』

著者:Bea Johnson

ペーパーバック: 304ページ

出版社: SCRIBNER TP

ISBN-10: 1451697686

発売日: 2013/4/9

適正年齢:PG10(小学校高学年以上)

難易度:中級レベル(フランス人の著者が書いた英語なのでシンプル)

これを読まずして年は越せないで賞候補(ちょこさん推薦)

 


フランス生まれの著者Beaは、アメリカ人のScottと出会って結婚し、カリフォルニアに移住してからは、典型的な金持ちのカリフォルニアライフを謳歌していた。だが、その生活に疑問を抱き始めたふたりは、ゴミ(waste)を出さず、無駄(waste)がない生活に切り替えることにしたのである。

大邸宅から半分のサイズの家に移り、Refuse,Reduce,Reuse,Recycle,Rotの5R生活をすることで、夫婦と息子2人のJohnson家から出るゴミは、1年にたった1リットルになった。これは凄いことである。誰でもその方法を知りたくなるだろう。

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タイムトラベルで個々の時代の「風俗喜劇」と人情を描くSF『Oxford Time Travelシリーズ』

Ned Henry

ジャンル別 洋書ベスト500』で素晴らしいSFのシリーズである『Oxford Time Travel Series』(著者:Connie Willis)の最新刊『Black Out / All Clear』をご紹介したが、紙幅の都合でシリーズの素晴らしさをしっかりと伝えられないのが残念だった。それを補うために、ここで詳しくご紹介したい。

 

Oxford Time Travel Series(オックスフォード大学史学部シリーズ)とは?

ジャンル:SF(タイムトラベル)/時代小説

適正年齢:PG12(中学生以上)

アメリカ人作家Connie WillisによるタイムトラベルSFのシリーズ。

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2013年「これを読まずして年は越せないで賞」ロングリスト候補作

 

皆さま、お待たせいたしました。今年も洋書ファンクラブ名物、「これを読まずして年は越せないで賞」の季節がやってまいりました。

受賞作が決まるのは毎年年末なので、「読む」どころか、みなさんが本を購入するまでに年が明けてしまう賞です。そういう賞ですが、もう数年ゆるゆるやってきましたので、「来年末までに読む本」ととらえて、このままお許しいただければ幸いです。

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2013年ノーベル文学賞受賞者の最新作『Dear Life』

著者:Alice Munro

ペーパーバック: 336ページ

出版社: Vintage; Reprint版

ISBN-10: 0307743721

発売日: 2013/7/30(オリジナル2012/11)

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:上級レベル(英語ネイティブの普通レベル)、ただし短編なので日本人には試しやすい。

ジャンル:短篇集/自伝的短編小説

キーワード:女性心理、人間関係、後悔、ジェラシー、許容、哀愁

文学賞:2013年ノーベル文学賞


 

短編の名手として近年ノーベル文学賞候補に名前があがっていたカナダ人の女流作家Alice Munro(アリス・マンロー)が、本日(2013年10月10日)ついに賞を受賞した。思想や政治的な要素が影響を与えることで知られるノーベル文学賞なので、思想に無関係の普通の女性の人生を描き続けてきたMunroが受賞したのは画期的なことである。(ただし、常に候補の上位に位置してきたので、意外ではない)

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現在もっともエキサイティングなYAファンタジー『The Dream Thieves(The Raven Circle #2)』

著者:Maggie Stiefvater

ハードカバー: 439ページ

出版社: Scholastic Press

ISBN-10: 0545424941

発売日: 2013/9/17

適正年齢:PG12(中学生以上、ただし、バイオレンスあり)

難易度:上級レベル(英語ネイティブの普通レベル)

ジャンル:ファンタジー/ヤングアダルト(YA)/文芸小説

キーワード:The Raven Circle #2/英雄伝説(Owain Glendower)/レイライン/霊能力/冒険/ロマンス

これを読まずして年は越せないで賞候補(渡辺推薦)


 

バージニア州にあるHenrietta(架空の町)は、古代の遺跡が直線に並ぶレイライン上にあり、大地のパワフルなエネルギーが集まっている。そこでは、ありえないような現象が、あたかも自然なことのように起こる。

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マジックリアリズムと心理スリラーの中間で凡庸になってしまった話題作『The Night Guest』

著者:Fiona Mcfarlane

ハードカバー: 241ページ

出版社: Faber & Faber

ISBN-10: 0865477736

発売日: 2013/10月(予定)

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:上級レベル

ジャンル:現代小説/心理スリラー

キーワード:加齢、犯罪、マジックリアリズム

 


70代後半にさしかかったRuthは、夫と死に別れ、オーストラリアのさびれたビーチで独り住まいをしている。息子たち二人はときおり電話はしてくれるものの、なかなか訪問してはくれない。

ある夜、Ruthは自宅にトラの気配を感じて息子に電話をかける。そして、翌朝見知らぬ女Fridaが巨大なスーツケースを持って現れる。

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