ポルトガルのリゾート地でのウエディングを舞台にしたサスペンス The Guilt Trip

作者:Sandie Jones
Publisher ‏ : ‎ Minotaur Books
刊行日:August 3, 2021
Hardcover ‏ : ‎ 320 pages
ISBN-10 ‏ : ‎ 1250265584
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1250265586
適正年齢:一般(PG15+)
読みやすさ:7
ジャンル:サスペンス、ドメスティック・サスペンス
キーワード、テーマ:イギリス、ポルトガル、友人グループ、不倫、裏切り、秘密、海外ウエディング、殺人

RachelとJack、PaigeとNoahの2組の夫婦は、それぞれの息子と娘を含めて長年の家族ぐるみの友人である。RachelとNoahは大学時代から20年続いている親友であり、Noahの妻のPaigeは最初のうちRachelに嫉妬していた様子もある。けれども、今ではRachelとPaigeは何でも打ち明ける親友になっている。放浪癖があったJackの弟のWillがAliという女性と結婚することになり、3組のイギリス人カップルは一緒にウエディングを行うポルトガルに向かった。

RachelとPaigeは若くて衝動的なAliに対してあまり良い感情を抱かないが、Jackの態度はそれを越えたものがあった。かつてAliはJackの会社で働いていたのが、その時に既婚者と不倫をしていたのだとJackはRachelに言う。そんな女性が弟と結婚するのは許せないが、弟を傷つけたくないとも。しかし、ポルトガルのリゾートに到着してからの夫の態度からRachelは夫とAliとの不倫を疑い始める……。

海外のエキゾチックな地での結婚式、カップルが伴侶に隠している秘密、なにか悪いことが起きる不吉な予感…という部分で、The Guilt Tripは、ベストセラーになったThe Guest Listを連想させる。しかし、残念だが作品としてはThe Guest Listには遥かに及ばない。どちらかというと、この作品は、アメリカで人気があるリアリティ番組のような感じだ。秘密、不倫、裏切り、復讐、と盛りだくさんすぎて少々うんざりするところがあるが、好きな人にはページターナーであろう。最後に驚きのツイストも用意されているのだが、人物造形も含めて説得力はイマイチだと思った。その点では、Alex Michaelidesの新刊The Maidensにも似ている。

エキゾチックな地でのドラマチックな展開は、夏のビーチで読むのには適していると思う。謎を深く考えずに軽く読みたい人におすすめ。

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