Category: YA(ヤングアダルト)
Battle of the (Kids’) Books 準決勝第一マッチ
引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。バトルのサイトはこちら。 審判は、日本軍占領下の韓国での幼い兄妹の生活を描いた児童書「When My Name Was Keoko」の作者Linda Sue Parkです。 今日の取り組みはなかなか良い組み合わせです。歴史小説、米国の独立戦争時、黒人が主人公、語りが第一人称と共通点が沢山あります。ParkはThe Astonishing Life of Octavian Nothingの第一巻The Pox…
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ハリー・ポッターファンにおすすめ-Percy Jackson & the Olympiansシリーズ
そろそろ男の子向けのヤングアダルト本のご紹介を。この分野ははSF、 ファンタジー、冒険ものが多く、9-12歳向けの児童書とヤングアダルトの区分がつけにくいようです。同じ本でも異なる町の図書館で児童書扱いされていたり、YA扱いされていたりとばらばらです。また大人の読者が多いのにYA扱いされているものや、その逆もあります。今日ご紹介するPercy Jackson & the Olympiansシリーズもそんな本のひとつです。ハリー・ポッターのように小学生から高校生くらいまで幅広い年齢層の少年に大人気で、すでに映画化(米国では2010年2月に上映予定)が進んでいます。シリーズ完結編の5巻が今年5月に発売されますので、今からスタートすれば上映までに全部読みきることができるでしょう。 Percy Jacksonの父は彼が生まれる前に姿を消し、優しくて完璧な母親はなぜかろくでなしの男と結婚している。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と学習障害がある彼は問題を起こしては転校を繰り返し、ついに問題児が集まる寄宿制の学校に入学して親友と尊敬するラテン語の教師に出会う。しかし、ここでも問題を起こして退学になる。実はPercyがADHDでしかも学校を転々としていたのにはちゃんとした理由があった。Percyは、ギリシャ神話の神と人間との間に生まれたdemigodだったのだ。 作者Rick Riordanの息子にはADHDと学習障害があり、幼いころにその子が深い興味を抱いたのがギリシャ神話だった。ギリシャ神話の神にはADHDなところがある。その神と人間の間に生まれたdemigod(半神半人、ギリシャ神話に出てくるヘラクレスのようなヒーロー)にADHDがあるのは当然で、しかもそれは利点なのだ。そんな発想で息子のために物語を語り聞かせたのがPercy Jackson & the Olympiansシリーズのきっかけだった。 demigodが集まるCamp…
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Battle of the (Kids’) Books 第二ラウンド第四マッチ
引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。 審判はNational Book賞候補になったThe Rules of Survival の作者Nancy Werlinです。これは、児童虐待を扱ったYA本です。 今日の対決はファンタジーのGracelingとノンフィクションのThe Lincolns です。 読者の人気投票ではGracelingが圧倒的な勝者ですが、Werlinはファンタジーロマンスのファンゆえに、Gracelingに対してかえって厳しい判断を下したようです。Gracelingの地理や設定などが論理的でなく、ニュアンスに欠けるために、デビュー作としては優れていても傑作ではないという批判をしています。私もこれまで完成度の高いファンタジーは沢山読んできたので、それと比べたらやはり影が薄くなるという事実にはしぶしぶ同意せざるを得ません。とはいえ、Werlinも私のように135ページからのKatsaの物語には惚れ込んだようで、次作が非常に期待できると言っています。 それに比較して、The Lincolnsは文句なしに優れたノンフィクションだとWerlinは感じたようです。歴史でAbraham のことはしっかり学んだ人でも、妻のMary…
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心温まる青春小説―The Truth About Forever
Sarah Dessen2004年青春小説/ヤングアダルト http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0142406252&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0142406252&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 高校生のMacyは成績も品行も良い優等生で外からは何の問題も抱えていないように見えるが、父親が突然死してから深い悲しみを胸の奥底に潜めている。「完璧」なボーイフレンドのJasonは、Macyの心の支えになるよりも自分のために彼女がどう役立つかしか考えていない。だが、それをMacy本人が気づいている様子はなく、彼の傲慢ぶりを崇拝し、自分を卑下しているところさえある。"Brain Camp"(有名大学への入学が有利になるとみなされる優秀な生徒が集まる泊りがけの夏期コース)に行くJasonは自分が重要視している図書館でのアルバイトの職をMacyに引き継がせるが、それは彼女にとって精神的な拷問に近かった。かわりにMacyは人手が足りず、彼女を必要としている仕出し屋でアルバイトを始める。この仕出し屋でバイトをしているのは、これまで優等生のMacyが付き合ったことのない問題児ばかりだった。彼らのおかげでMacyは肩の力を抜き、生活を楽しみ始める。特に、ハンサムなWesは危険な外見とは異なる別の部分を持っていて、Macyが胸の奥底にしまってきた悲しみと罪悪感、自信のなさに直面するのを助けてくれる。 登場人物がそれぞれ生き生きとしており、ユーモアにあふれ、ロマンチックで心温まる青春小説である。また、父を失った悲しみと罪悪感、ボーイフレンドにコントロールされやすい少女の心理をリアルに表現しているところも優れた点である。親に守られてきた平和な世界が崩れる現実とその現実でいかに自分を見出して人生の選択をするのか、という課題を扱うこの作品はいつものDessenの青春小説より深みのある読後感を与えてくれる。 ●ここが魅力!著者のSarah Dessenは、初恋や家族問題などに揺れ動く思春期の少女の心情を描くのが得意な青春小説の大御所です。代表作をいくつか読みましたが、その中で私がもっとも優れていると感じたのがこのThe Truth About Foreverです。Jasonという優等生の少年にマインドコントロールされて自分を卑下しているMacyは、たぶん女性であれば心あたりがあるでしょう。 軽すぎず、重すぎず、思春期の女の子にぴったりですが、大人が読んでも十分楽しめる作品です。 ●読みやすさ ★★★★☆★★★と★★★★の中間で、Twilight程度のレベル。女子高校生の1人称で語られ、造語や俗語がほとんどないのも読みやすい理由です。 ●アダルト度 ★★☆☆☆ロマンスが含まれた青春小説ですが、ヤングアダルト分野では性的表現がキス程度と非常にマイルドなほうです。(Twilightと異なり)中学生から安心して読ませることができるレベルです。…
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Battle of the (Kids’) Books 第二ラウンド第三マッチ
引き続きバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。 We Are the Ship対The Hunger Gamesの対決。審判はベストセラーの青春小説Looking for Alaska の作者John Greenです。 どっちにすればよいのか決められなくて苦悶し、ついに奥さんに相談したGreenは「これは本物の賞(つまりニューベリーメダル賞とか)じゃないってわかってるんでしょうね!」とあきれられたとのこと。なぜそんなに難しいかというと、「りんご」と「象」を比べるような比較だからです。最高の「りんご」と最高の「象」を比べて、「どっちが良いか?」とたずねられたら誰でも困りますよね。その気持ち分かります。黒人が白人の野球リーグに参加できなかったころのNegro Leagues(黒人リーグ)の歴史を伝えるWe Are the…
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Battle of the (Kids’) Books 第二ラウンド第二マッチ
YA特集が来週くらいまで続きます。 そして引き続き2008年に出版された児童書とヤングアダルト本の最終作品を選ぶバトルの中間報告です。ここから入った方はこちらを。 審判は、Los Angeles Times Book Prizeを受賞した Tyrell (Push) の作者Coe Boothです。 かたやNational Book賞のファイナリストChains、こなたPrintz Honor bookのTender…
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楽しく読めて感動する-The Curious Incident of the Dog in the Night-time
Mark Haddon2003年ヤングアダルト/現代小説 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=1400032717&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0099450259&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 非常に有名な本なので今さら私が書く必要はないのですが、より多くの方に読んでいただきたいのであえて載せました。 15歳の自閉症の少年Christopher Booneは、数学では並外れた能力があるものの、他人の表情を読み取ったり、感情のニュアンスを理解することができない。そのうえに色に関する強迫観念もある。(本人にとっては)論理的だが融通のきかない思考回路しかできないChristopherが他人と心を通わせることは難しい。そんな彼が深夜に隣人のプードル犬が何者かに殺されているのを発見し、大好きなシャーロック・ホームズにならい、犯人を突き止めることにする。だが、犬の殺害事件を追ううちにChristopherは両親の仲が壊れていることを学び、ロンドンに住む母親と暮らすために自閉症にとっては大冒険である馴染みのない世界に足を踏み出す。ミステリーというより、Christopherという自閉症の少年の世界をリアルに、そしてユーモアを持って描いた、YAというよりも大人向けの優れた文芸小説である。 ●ここが魅力!自閉症という重いテーマを扱いながらも、ユーモアに満ちた、面白い娯楽作品です。Christopherの言動は他人からは不可解なものですが、本人にとっては非常に論理的なのです。数学好きでニュアンスが理解できない彼の思考回路は常人とかけ離れていて、それゆえにチャーミングで可笑しいのですが、面白いだけでなくChristopherや彼の父親に深い同情と愛情を覚える感動的な作品です。章が素数であったり、数学の問題が沢山出てきたり、思考を説明するイラストがあったり、読書体験そのものを楽しめる工夫がちりばめられています。 ●読みやすさ ★★★☆☆★★★と★★★★の中間で、非常に読みやすい本です。分からない単語があっても辞書を引かずに読み続けて十分理解できるでしょう。 ●アダルト度 ★☆☆☆☆「Do you mean that they were…
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懐かしさがこみあげるクラシック-Daddy Long Legs
今日は、YAのクラシックを。 音楽のように、ある作品が過去のある時期の思い出に重なり、タイトルを耳にするだけで懐かしく、そして切なくなることってありますよね。私にとってはDaddy Long Legsがそんな本です。今日、偶然このタイトルにぶつかって、子どものころ胸をときめかせた感覚が蘇りました。赤毛のアンのように、「いっしょうけんめい勉強して、心優しく、前向きで、けれどもユーモアのセンスがあって、他人とはちょっと違う女性になったら、いつか素敵な人が現れて愛してくれる」と夢見させてくれた本です。今の子にもこういうロマンスを読んで育ってほしい、なんて思うのは年寄りになった証拠でしょうか。 著作権が消滅していますので、無料で読むことができます。アニメや日本語版でしかDaddy Long Legsを知らない方にぜひ原語で読んでいただきたい作品です。チャーミングなJerusha Abbotの語り口につい引き込まれてしまうでしょう。今読み返しても、ドキドキするエンディングです。 ヤングアダルトから大人向けに書かれた本ですが、小学生にもおすすめできます(私は小学校高学年のときに虜になりました)。 ●読みやすさ ★★★☆☆ 現代の口調とほとんど変わらず、しかも現代のようなスラングがないので、★4つに近い読みやすさです。 オンラインで読むのが面倒な方は、コンピューターにダウンロードしてごゆっくりどうぞ。 daddy_long_legs.pdfをダウンロード 本のほうが好きな方には、続編の「Dear Enemy」も入っているこちらをおすすめします。…

