一見パーフェクトな夫婦の裏側を暴くのが得意なリアン・モリアーティの新刊 Truly Madly Guilty

著者:Liane Moriarty
ハードカバー: 496ページ
出版社: Michael Joseph
ISBN-10: 0718180275
発売日: 2016/7/28
適正年齢:R(特に露骨な内容ではないが、テーマは大人向け)
難易度:上級(高校英語では理解できない単語はあるが、読みやすい文章)
ジャンル:女性小説(chick-lit)、大衆小説
キーワード:夫婦関係、友情、親子関係、ライバル意識、秘密

サムとクレメンタインの人生は、外から見るとパーフェクトだ。
夫のサムは新しい会社でパワフルな職に就いたところだし、妻のクレメンタインはオーケストラで演奏するチェロ奏者だ。そして、2人の可愛い娘もいる。サムは、ぼんやりタイプの芸術家の妻を思いやる優しい夫であり、クレメンタインはそんな夫を親友だと思っている。

クレメンタインのもう一人の親友は、幼なじみのエリカだ。多くを語らずとも、相手が考えていることがわかるほど長い付き合いだ。

ところが、エリカの隣人であるヴィドとティファニー夫婦の裏庭バーベキューパーティを境に、クレメンタインの完璧な世界がすっかり変わってしまう。サムは敵意をむき出しにして離婚をほのめかし、エリカとも口をきかない日が続く。

みなの心にある疑問はひとつ「あの日、バーベキューパーティに行かなかったら、どうなっていたのか?」

オーストラリア人作家は、アメリカ人作家やイギリス人作家と比較すると国際的な知名度が低く、なかなか売れない。
その中で、リアン・モリアーティは、全世界で売れっ子の作家だ。新刊は、必ず全世界でベストセラーになる。だから、特別なPRをしなくてもいいくらいだ。5月のBEA(ブックエキスポ・アメリカ)でも、出版社からのカクテルパーティ招待状を受け取った人だけがARCを受け取ることができるという特別扱いだった。

モリアーティは、ふつうの人が抱く心の闇を、軽いタッチで巧みに暴いていく。
たとえば、『Big Little Lies』や『The Husband’s Secret』では、夫婦が抱える秘密が鍵になっているが、ただの女性小説ではなく、ミステリやスリラーの要素もあるのがモリアーティの魅力だ。

新刊の『Truly Madly Guilty』も、それらの材料は揃っている。しかし、出来上がった作品は、いまひとつ物足りなかった。
バーベキューパーティの日に起こったことを知るために読み続けるのだが、中だるみもするし、ふだんほどの説得力がない。

それでも、普通の作家と比べればパワーはあるし、夏の娯楽として読む価値はある。
ただし、モリアーティ未体験の方は、別の作品からスタートすることをお薦めする。
上記のほかにも、映画化が決まっている『What Alice Forgot』もなかなかおもしろかった。

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