Category: 回想録(メモワール)・伝記

信心深い妻エマへの愛と科学との間で悩んだダーウィンの人間らしさ Charles and Emma

Deborah Heiligman272ページHenry Holt Book2008/12/23歴史ノンフィクション/伝記/中学生から高校生向け/ヤングアダルト http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0805087214 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0805087214 チャールズ・ダーウィンが生まれたのは1809年、そして彼が種の起原(On the Origin of Species)を出版したのは1859年11月でした。昨年2009年はダーウィンの誕生200年と種の起原出版150周年を記念した多くの展示や出版が相次ぎました。 Charles and Emmaもそういった本の一つですが、妻のエマとの関係を通じてチャールズ・ダーウィンの人となりを描いているところが精彩を放っています。副題に「Darwin’s Leap…

子供時代に親から言葉を奪い去られたイラストレーターの回想記 Stitches

David Small336ページ(ハードカバー)W W Norton & Co Inc 2009/9/8グラフィックノベル/回想記 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0393068579 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0393068579 「グラフィックノベル」は、日本の漫画に似ていて異なる。どう異なるかを言葉で説明してもよくわからないであろうから、そこは読んでいただくしかない。 このグラフィックノベル「Stitches」は、ベテランイラストレーターのDavid Smallの回想録であり、グラフィックノベルの中でも特殊な作品である。 David Smallの幼年時代は、暗い沈黙に満ちていた。母の無言の怒りは家族全員を緊張に満ちた沈黙に引きずりこみ、それぞれが押さえ込んだ怒りを別の「音」で発散していた。放射線専門医だった父親は、病弱だったDavidに放射線照射を繰り返し、結果的に頸部の癌を与えてしまう。だが、両親は彼から事実を知る権利を奪い、本人に何も告げずに手術をし、声帯を半分除去してしまう。手術から目覚めたDavidは、自らの選択ではなく「沈黙」を強いられてしまう。…

心暖まる獣医物語のクラシック—「All Creatures Great and Small 」

二十数年前、ロンドン郊外でホームスティすることになった。ホストは30代のキュートなカップルだった。妻のジャネットは60年代に有名だったポップ歌手のLuluに似ていることが自慢のフレンドリーな女性で、強いコックニー訛りがある夫のジョンからはシャイな優しさが感じられた。3人の子供と2匹の猫は初対面のときから私になつき、一人にさせてくれないほどだった。 ジャネットとジョンの家の中には独立したアパートメントがあり、そこにはジャネットの母親ルースが住んでいた。 中流階級出身らしく上品なルースの髪はまだ60代だというのに真っ白で、笑顔になっても眉間の深い縦じわは消えなかった。ふだん若い夫婦の生活に干渉しないルースと会話を交わすようになったきっかけは、皮肉なことにジャネットの家出だった。そのころには私もジャネットに多くの恋人がいることは知っていたが、まさかそのうちの一人と駆け落ちするとは予想もしていなかった。動揺し混乱する家族の中で、ただひとり黙々と日常作業をこなし続けたのがルースだった。夫の死後ひとりで花屋を経営しつつジャネットを育てたルースは、20年も前から娘の非行には慣れていたのだ。彼女の眉間の縦じわと真っ白な髪の理由が、このときなんとなくわかったような気がした。 家族の危機をきっかけに、ルースは頻繁に私をアパートメントに招待してくれるようになった。手作りのグースベリーパイやルーバーブパイと一緒に、ルースはRoyal Albert Old Country Roses のティーセットでもてなしてくれた。ルースのティーは、ジャネットがマグに直接ティーバッグを入れるものにくらべて格別美味しく感じたものである。 私が自分の家族を持って買いそろえたのは、Royal Albert Old Country Rosesのティーセットだ。あのティータイムで洗脳されてしまったのだ。それ以外にも私がルースに洗脳された英国の産物がJames Herriotである。…

孤島に1冊だけ本を持ってゆけるとしたら……スティーブン・キングのエッセイ−On Writing

Stephen Kingマスマーケット版(320ページ)2000年10月初版回想録/エッセイ http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0743455967 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0743455967 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4901142674 実を言いますと、私はホラーとバイオレンスが苦手なんです。そういうのを観たり読んだりすると1週間くらい眠れません。そんな私が若いころ観て「二度とホラーは観ない」と心に誓った映画が「キャリー」でした。墓場で手がニュッと出てくるあのシーン、今思い出しても「キャー」っと叫びたくなります。「キャリー(Carrie)」は、スティーブン・キングが現在の地位を確立するきっかけになった作品でもあります。基本的にホラーを読まない主義の私ですが、キングの作品は(そのたび後悔しつつ)けっこう読んでいます。若かりし頃は理由を深く考えたことがなかったのですが、On Writingを読んだとき、頭の中の霧が晴れたように理解できました。私はキングのストーリーテラーとしての魔力に操られていたのです。 On Writingは題名のとおり「書く」ことに関するエッセイです。といっても 邦訳版のタイトル「小説作法」から連想できるような「小説の書き方」を説くハウツー本ではありません。キング自身が書いているように、ものを書くのは金持ちになるためでも有名になるためでもモテるためでもありません。それを読んだ人の人生を豊かにし、自分自身の人生を豊かにし、なによりも幸福になるための行為なんです。この本の大部分は、彼がそれを学んだ過程と、読者がそれをもっとうまく実現できる方法を解説するものです。だから、このエッセイは、(キングを知りたい人への)回想録であり、(物書きになりたい人への)アドバイス本であり、そして(幸福を求める人への)哲学書でもあるのです。 「孤島に1冊だけ本を持ってゆけるとしたら…」という例の質問への私の回答は今のところOn Writingです。というのは、これほど面白くて生きていることに感謝したくなる本はめったにないからです。何度読んでも新鮮なうえに、読んだ後に「書きたい」というインスピレーションも与えてくれます。ゆえに掟破りですが、紙と鉛筆もできたら孤島に持って行かせてください。 キングのOn Writingは三つのセクションに別れていて、最初は1997年くらいまでの回想記、次が物書きを目指す者へのアドバイス、そして最後が1999年の交通事故後に書き加えた回想記です。 1….

世界最大のソーシャルネットワークFacebookに関する暴露本ーThe Accidental Billionaires

Ben Mezrich 2009年7月21日発売 Doubleday ノンフィクション/ビジネス/ルポ http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0385529376 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0385529376 2004年2月ハーバード大学の学生だったMark Zuckerbergが寮の一室で始めたソーシャルネットワークのFacebook(当時はtheFacebook)は、またたく間にハーバード大学から全国の大学、高校に広まり、現在ではビジネスや政治のツールとして不可欠になっている。遊びだけではなく、テストのための勉強グループや写真のシェアリング、演劇や音楽会の案内、スポーツ部の連絡などに使われているため、私の娘の世代にとってはFacebookなしの高校生活なんて想像もできないようだ。 人と人のつながり方を根本的に変えてしまったFacebookを作り出したZuckerbergは、最も若くしてBillionaireになった記録も作っている。Facebookの利用者でなくても、この暴露本には興味を抱かずにいられないだろう。The Accidental Billionairesは、Facebookのきっかけとして伝説化している2003年10月のFacemash事件、デート用出会いサイトを創始するためにZuckerbergを雇おうとした学生たち、Zuckerbergの依頼でtheFacebookの資金を出し後に切り捨てられた共同創始者のEduardo Saverin、そして彼らがZuckerbergに利用されて裏切られたとするいきさつが語られている。 残念なのは(最後に共同創始者だったSaverinがZuckerbergの視点を分析するのをのぞいて)裏切られたと訴える者たちの視点しか紹介されていないことである。作者のBen MezrichがZuckerbergを取材できなかったことが理由なのだろうが、それにしても第三者からZuckerbergをもっと掘り下げることはできたと思うのだ。Saverinには同情する部分もあるが、出会いサイトでZuckerbergをタダで利用しようとして後で「アイディアを盗まれた」と訴え(6500万ドルで調停に達した)Winklevoss兄弟にはまったくといっていいほど同情を感じなかった。…

恋愛体験のアンソロジー−Love is a Four-letter Word

Michael Taeckens編集Junot Diaz, Wendy McClure, Jennifer Finney Boylan, Kate Christensen, Said Sayrafiezadeh, Maud Newton, Amanda…

重症の強迫性障害患者と彼を治療した医師の実話-Life in Rewind

著者:Terry Weible Murphy(文章), Michael A. Jenike(精神科医), Edward E. Zine(患者)256ページ出版社: William Morrow 2009年4月14日エッセイ・回想録/ノンフィクション/OCD(強迫性障害) http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0061561533 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0061561533 Life…

ロックミュージシャンの回想録では最高傑作-ローリング・ストーンズのRonnie

Ronnie Wood2007年10月初版368ページSt. Martin’s Press回想録/ロック http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0312531028&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0312366523&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 有名人の回想録はそれこそ星の数ほどあるし、星のように毎日のように誕生しています。たいていの有名人は文章なんて書けないから、売れっ子ゴーストライターを雇い、彼らの取材に、「そうね、あのとき私は…」と答えるだけ。「そんな本にお金を払いたくない」と私は思うのですが、暴露本の感覚で読む方は多いようで、ゴーストライターによる回想録はけっこう売れています。でも、The Rolling StonesのRonnie Wood(ロン・ウッドではなく、Wood本人がこの名前を使っています)のRonnieは、ロックの回想録ではこれ以上の傑作はないと断言できるほどの豪華絢爛な内容です。 その理由は次のとおりです。 1.全部自分で書いている。しかも、それがけっこう読める文章で面白い。2.ものすごく正直。「えーっ!こんなこと書いていいの?」と仰天する内容が次々と。  Ronnie本人の恋愛暦やドラッグ暦だけではなく、ミック、キースといったストーンズの仲間、そして(私くらいの年齢のロックファンにはおなじみの)Eric Clapton, Rod Stewart,…