chick lit

児童虐待犠牲者の心の闘いと癒やしを語る青春ロマンス本

いま、Kindle Unlimited(読み放題)を試しているのですが、残念なことにPRに使われている目玉作品はもう殆ど読んでいます(『ジャンル別 洋書ベスト500』に入っている作品が沢山あります)。
そこで、以前からよく目にするティーンや若い女性読者の間で人気がある作品を試してみることにしました。

驚いたのは、連続して読んだ次の作品(ひとつは読み切り、もうひとつは三部作)に多くの類似点があったことです。
どちらにも親(親代わりの親族)から虐待(child abuse/neglect)を受けて育ったティーンが登場します。ひとりは男の子で、もう一人は女の子です。最初の作品は、その男の子を愛して突き放され傷つく女性主人公のストーリーで、後者は愛してくれる人を突き放し続ける女性主人公のストーリーです。
そのうえ、どちらでも女性主人公が「走る」んです。私の処女小説でも女主人公が走りましたが、この感覚、なんだかすごくよくわかりました。

その二つの作品です。

1.Left Drowning

 

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本好きと書店好きのための小説『The Storied Life of A. J. Fikry 』

著者:Gabrielle Zevin

ハードカバー: 260ページ

出版社: Algonquin Books (2014/04)

ISBN-10: 1616203218

発売日: 2014/04

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:中級〜上級レベル

ジャンル:現代小説/ラブストーリー/ミステリ

キーワード:書店、本、ブッククラブ、ロマンス、友情、人情、人生

「これを読まずして年は越せないで賞」候補作(渡辺)

アメリカの東海岸に浮かぶ小さな島「Alice Island」(ナンタケット島をモデルにした架空の島)には、書店がたった1店しかない。そのIsland Booksの店主A.J.Fikryは、交通事故で妻を亡くしてから何ごとにも興味を失っていた。もともと人見知りなところがあったが、ますます偏屈になり、店の経営は悪化していた。そこに、ロードアイランド州の小さな出版社から営業担当者Ameliaが訪れる。前任者の急死でIsland Booksを引き継いだAmeliaは、長旅の価値があるかどうか疑いつつも訪問したのだが、A.J.から失礼な対応をされて憤慨して島を去った。

Ameliaの訪問直後に、A.J.が持っていたエドガー・アラン・ポーの詩集の初版が姿を消した。売れば百万ドルにもなる可能性がある非常に価値がある古書である。そのショックから立ち直る暇もなく、A.J.の書店に2歳の少女Mayaが置き去りにされた。そして、翌日赤ん坊の母親らしき若い女性の死体が海で見つかった。人間嫌いで、子どもも嫌いだったはずのA.J.だが、Mayaをなぜか見捨てることができず、引き取って育てることにする。

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アメリカの離婚手続き(の大変さ)がわかる小説『The Divorce Papers』

著者:Susan Rieger

ハードカバー: 480ページ

出版社: Crown

ISBN-10: 0804137447

発売日: 2014/3/18

適正年齢:PG15(高校生以上)

難易度:上級レベル(オフィスのメモやEメール、手紙は読みやすいが、専門的な書類は読みにくい)

ジャンル:現代小説、チックリット

キーワード:離婚、弁護士、家族ドラマ

 

日本では、「入院中に離婚されていた」とか、離婚後に父親が養育費をまったく払わないことや、父親のほうの家族が子どもを母親から奪って合わせないことがしょっちゅうある。日本に住んでいたころ、私の身近にも(たいていは母親のほうが)泣いて諦めたというケースがたくさんあった。

アメリカではその反対で、法が権利を守ってくれるのはいいが、双方が権利を主張するので離婚には必ずといっていいほど弁護士が必要になり、金のかかる戦いが長引き、すでに愛がさめたカップルが激しく憎しみ合うことになる。

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アメリカ メイン州を舞台にした新コージーミステリ『Clammed Up』

著者:Barbara Ross

マスマーケット: 378ページ

出版社: Kensington Pub Corp (Mm)

ISBN-10: 0758286856

発売日: 2013/9/3

適正年齢:PG12(中学生以上。性的表現はキス程度)

難易度:中級レベル(コージーミステリなので簡単)

ジャンル:コージーミステリ

キーワード:メイン州、New England clambake(ニューイングランド式クラムベイク)、殺人、ロマンス

賞:アガサ賞候補(現時点ではまだ決定していない)

 

 

New_England_clam_bake

ニューイングランド式クラムベイク(ウィキペディアより)

舞台は、アメリカ東北部「ニューイングランド地方(New England)」最北端のメイン州湾岸沿いの町。

メイン州の夏は短いが、シーズン中は美しい海岸沿いの風景とロブスターやクラムといったニューイングランド名産物のシーフードを求める観光客で賑わう。

主人公Juliaの父が始めた「Snowden Family Clambake Company」は、観光客に船で景観を楽しませた後、母の家族が3代にわたって所有している小さな島に連れて行き、そこで伝統的なClambakeをするツアーを提供している。ホテル、漁業、アルバイトでの収入…など、Juliaだけでなく町にとって重要な産業でもある。

ところが、父が亡くなり、妹と妹の伴侶が事業をついでから経営は泥沼に陥った。大学進学で町を離れ、ニューヨーク市の投資会社で活躍していたJuliaは、妹から助けを求める電話を受けて故郷に戻った。

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2012年の話題作Gone Girlより面白いという前評判の心理スリラー『Lies You Wanted to Hear』

著者:James Whitfield Thompson(デビュー作家)

ペーパーバック: 404ページ

出版社: Sourcebooks Landmark

ISBN-10: 1402284284

発売日: 2013/11/5

適正年齢:R(成人向け)、性的シーンや話題あり

難易度:中級レベル(高校英語をマスターしたレベル)、一人称で語られているので理解しやすい。

ジャンル:心理スリラー/ラブストーリー(ある意味)

キーワード:恋愛、結婚、思いやりと偽り、愛と憎しみ、家族関係


 

1979年、LucyとMattは友人がアレンジしたブラインド・デートで出会った。

コネチカット州の裕福な家庭で育ったLucyは、美人なのに男運が悪かった。そもそもLucyの男性の好みが問題なのだ。彼女が情熱的に愛したのは、同じように恵まれた境遇で育ったがゆえに無責任に生きているGriffinだった。彼の子供を妊娠したのだが、彼の意思で中絶することになり、それをきっかけに見捨てられて暗い気持ちで生きていた。

田舎の労働者階級の家庭で育ったMattは、真っ直ぐな性格で同僚や知人から愛される実直な警官だった。彼は知的で魅力的なLucyに最初からひとめ惚れし、彼女の裏切りや、自分のことを心から愛していないことを薄々知りながらも結婚した。

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信頼していた夫の秘密を知ってしまった妻たちの悩み『The Husband’s Secret』

著者:Liane Moriarty

ペーパーバック: 448ページ

出版社: Penguin

ISBN-10: 1405911662

発売日: 2013/8/29

適正年齢:R(成人向け)

難易度:上級レベル(だが、入り込みやすいし、理解しやすい)

ジャンル:現代文学/心理スリラー/チックリット(女性小説)

キーワード:夫婦関係、秘密、人間心理、ユーモア、ラブロマンス


 

オーストラリアのシドニー郊外に住むCeciliaは、自他ともに認める完璧な主婦である。ハンサムな夫と3人の美しい娘の要求を満たし、家を塵ひとつない状態に保ち、学校のボランティアで活躍し、困った人がいればすぐに世話にかけつけ、タッパーウエアの販売では国内でもトップレベルというスーパーウーマンだ。そんな自分と家族をCeciliaはとても誇りに思っていた。

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現代アメリカのプチエリートの苦悩を風刺したユーモアとミステリー Where’d You Go, Bernadette

Maria Semple

ハードカバー: 336ページ

出版社: Little, Brown and Company

ISBN-10: 0316256196

ISBN-13: 978-0316256193

発売日: 2012/12/21

現代小説/風刺小説

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Bernadette Foxは、シアトルのマイクロソフトコミュニティのまっただなかにいる主婦である。マイクロソフトの花形プロジェクトを指揮している夫のElgin
Branch(アメリカでは専門職を持つ夫婦の別姓が普通)は歴代4番目の視聴率を誇るTEDトークをした著名人で、娘のBeeは保護者のほとんどがマイクロソフトの関係者という私立学校に通っている。

だが、Bernadetteはシアトルもマイクロソフトのコミュニティも毛嫌いしているので、関わりを拒否している。

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情熱的なロマンスブックファンによるロマンスブック大特集!

ただいまとある企画を準備しているのですが、ロマンスブックの分野で『とら次郎さん(ハンドル名)』という情熱的かつリソースフルな方にご協力をいただきました。すごく充実した情報なので、このブログでシェアさせていただこうと思います。
とら次郎さんは、このブログを通じて繋がり、東京のMeet-up でお会いしたロマンスブックファンの方です。そのMeet-upに参加した方全員が同意してくれると思うのですが、実に元気で情熱的。それまでノンフィクションしか読まなかった方までもが「ロマンスブック読んでみようかな..」と思ったほどの説得力でした。
大阪のmeet-upでもロマンスブックのファンたちは明るくて前向きだったので、もしかするとロマンスブックファンは仕事のモヤモヤを解消して気持ちを切り替えるのが上手なのかもしれません。

そのとら次郎さんが、彼女のブログを通じて洋書ロマンスブック(翻訳作品含む)のトップ10のアンケートをしてくださり、その結果をオフ会に持ち込んでディスカッションまでしてくださったのです。

 

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