人が決断を下すときの感情と理性のバランス-How We Decide

著者:Jonah Lehrer発売日:2009年2月9日ノンフィクション/神経心理学/応用心理学 人の頭の中身ほど面白いものはない http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0618620117&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0618620117&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 私が昔大好きだったエルキュール・ポワロは、「灰色の脳細胞」が口癖の名探偵。得意技は心理分析による謎解きです。犯罪に限らず、人の心理が政治、経済、医学、などすべてにもっとも大きな影響を与えます。人間は他の動物にくらべて進化しているのだから合理的な動物かというと、そうでもないようです。どう考えても合理的とは思えない行動が何度も歴史を変えてきたのは周知の事実です。いったいなぜ人はそのような決断を下すのでしょうか?他人の意思決定の理由も謎ですが、自分の意思決定も謎です。あまり考えずに決めたことのほうがじっくり考えたものよりも良い結果をもたらすこともありますが、決断を早まったために後悔することもあります。私の場合、株式にかけては必ずといってよいほど間違った決断を下すのですが、「これは売れる本だ」という予感はほぼ当たります。どちらも同程度に限られた情報に基づくものですが、これほど判断力に差があるのはなぜなのか、自分でもよくわかりません。できればそれらの判断を下しているときの自分の頭の中を覗き見したいものです。このように、人の下す判断とその背後にある脳の働きほど不可思議で面白いものはありません。 Jonah Lehrer のHow We Decideは、emotional brain(感情を司る脳の部位とそれによる決断)と rational brain(合理性を司る脳の部位とそれによる決断)のバランスの重要性を説いています。第一印象の直感的な理解力の重要性を説いたマルコム・グラッドウェルのBlinkとよく比較されるのは、テーマが似ているだけでなく、紹介する逸話や実験の選択も類似しているからです。読者を引き込む面白いエピソードや実験で決して飽きさせないところも共通点です。もっとも大きな差は、グラッドウェルがジャーナリストであるのに対し、レーラーがノーベル賞受賞の神経学者のラボに勤務したことがある神経学者だということでしょう(彼のサイトを見ると、その若さに驚きます)。疾患のせいで感情を失い完全に合理的になった患者がかえって決断力を完全に失ってしまうというエピソードなど、神経学者だからこそ着眼し解説できる逸話がレーラーの強みです。Blinkでグラッドウェルが使った「thin-slicing」の説明に物足りなさを感じた者としては、脳のメカニズムを説明し、「いかに判断を下すべきか」というところまで言及しているHow We…

傷ついた心が癒されてゆく詩情豊かな物語-The Speed of Light

著者:Elizabeth Rosner出版年:2001年純文学 静かで美しく、心が癒される物語を読みたい方におすすめ http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0345442253&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 ポーラとジュリアンの兄妹は、ホロコーストの過酷な体験から抜け出せない父親に育てられた。優れた声楽の才能を持つポーラは、住み込みでレッスンをしていたために父親の影響を逃れることができたが、ひとり残されたジュリアンは成人した今もひきこもり状態になっている。ポーラはプロの声楽家をめざしてヨーロッパでオーディションを受けることを決め、留守のあいだ掃除婦のソーラにジュリアンの世話を頼む。いっぽう掃除婦のソーラは、故国で政府軍が家族と村の住民全員を皆殺しにしたのを目撃し、たったひとりの生き残りとして罪悪感を抱いている。「生存者の罪悪感」の犠牲となり、幸福になれないジュリアンとソーラが、とまどいながらも寄り添ってゆく。傷ついた魂が未来に向かって生まれ変わろうとする過程を、詩人のRosnerがリリカルな文章で美しく描く。 邦訳版も早川書房から「光の軌跡」として出版されているようですが、残念なことにすでに廃刊になっているようです。 ●ここが魅力!詩人が書いただけあって、文章が詩情豊かです。登場人物の悲劇と繊細な心の揺れ動きにいつのまにか引き込まれ、読後にも彼らを長く忘れることができないでしょう。 私は2001年にAdvance Reader’s Copyをいただいて読みましたが、その後も何度も読み直したくなる本です。この本を貸した友人たちからも「ブッククラブで取り上げたい」といった反応を得ています。 ●読みやすさ ★★☆☆☆決して難しい単語を使っているわけではありませんが、詩的な文体なので状況をつかみにくいかもしれません。語り手がジュリアン、ソーラ、ポーラの3人の間で突然切り替わるのでそれに混乱を覚えるかもしれません。けれども語り手によりフォントが異なりますので、慣れれば混乱は減るでしょう。 ●これが気に入った方にはこんな本も。。。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0156031663&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0393328627&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

期間限定-World Wide RaveのKindle版を無料提供

出版記念キャンペーンとして、限定期間中(本日より約5日間の予定ですがそれより短期の可能性もあるのでご了承ください)、World Wide RaveのKindle版のみを無料で提供いたします。3月16日をもって終了させていただきました。 ジャンルはウェブでのPRとマーケティング、ネット戦略です。詳しくはこちらを。 Kindle版の無料提供は、ランダムハウス社のファンタジーやミステリー、ハーレークイン社のロマンスの分野では行われてきましたが、それは新しく出版されたものを売るために古い作品を無料提供する形、あるいは出版社のPRの目的に限られてきました。 Kindle無料提供キャンペーンはもともと私の発案なのですが、新刊を無料にすることは著者David Meerman Scottの案です。出版社のほうは、ビジネス書で、しかも新刊、それも売れることを期待している作品を無料で提供することについて乗り気ではありませんでした(ビジネス書のKindle版販売数は多いので、そのぶん売り上げが下がりますから)が、ようやく「数日間だけ」ということで合意ができました。短期間ですので、Kindleをお持ちの方はこの機会にWorld Wide Raveをお試しください。 実際の本は中身もカラフルなのですが、Kindle版にはカラーがないのが残念です(これについてはスティーブン・キングもがURで言及していましたね)。 著者のScottは「よみやすさ」をモットーにしていますので、英語になれない方でも読みやすいと思います。 「でも日本ではKindleが買えない!」という方には、著者のサイトで無料のe-bookがダウンロードできます。この本にも描かれているアイディアやプロモーションのためのビデオをどのようにして作ったのか、など面白いエピソードを高品質のe-bookで読むことができます。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=B001UUJ640&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1

オンライン洋書無料購読-A Dangerous Man

ベストセラー作家Charlie Hustonのデビュー作で人気の「Hank Thompson」シリーズ第3作、A Dangerous Man。 第1作と第2作は一昨日と昨日のブログでどうぞ。キャンペーンが終了すると読めなくなりますので、お早めにどうぞ。 (注:本ブログでご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです。キャンペーンが終了するとこのページでも読めなくなりますので、ご了承ください) A Dangerous Man by Charlie Hustonhttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=8783983&access_key=key-9gi9gqqupd0lkyq455w&page=1&version=1&viewMode= Publish at…

アメリカで今売れている絵本

Amazon.comで一番売れている絵本を調べたところ、高校生の私の娘が読んだものとあまり変わっていないのでびっくりしました。でも、それだけ赤ちゃんとお母さんに愛される優れた本だということなのでしょう。 1. Goodnight Moon これについては以前に書きましたが、アメリカ人なら誰でも知っている人気の絵本です。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0061142700&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 2. Peek-A Who? 「いない、いない、ばあ」のバリエーションが赤ちゃんにとってはとっても楽しいようです。単純ですが、子供はまったく飽きないみたいです。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0811826023&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 3. Where the Wild…

ロマンスファンに速報!無料ダウンロードのチャンス

ロマンスの大御所ハーレクイーン社が、60周年記念のお祝いにロマンスブックの無料ダウンロードを提供しています。 PDFファイルでコンピュータに直接ダウンロードできるので、オンラインで読む必要はありません。ロマンスブックファンには見逃せないチャンスです。 「ロマンスブックとはなんぞや?」とふだん好奇心を抱いている方で、(表紙に恐れをなして)手に取れないでいる方にも試し読みのチャンスです。

オンライン無料購読-Six Bad Things

ベストセラー作家Charlie Hustonのデビュー作で人気の「Hank Thompson」シリーズ第2作、Six Bad Things。 第1作は昨日のブログでどうぞ。第3作は明日アップの予定です。キャンペーンが終了すると読めなくなりますので、お早めにどうぞ。 (注:本ブログでご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです。キャンペーンが終了するとこのページでも読めなくなりますので、ご了承ください) Six Bad Things by Charlie Hustonhttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=8783270&access_key=key-2c4vnfv749yamklzvkko&page=1&version=1&viewMode= Publish at…

オンライン無料購読-Caught Stealing

ベストセラー作家Charlie Hustonのデビュー作で人気の「Hank Thompson」シリーズ第一作、Caught Stealing。 高校野球の花形だったハンク・トンプソンは、いまやしがないバーテンダー。アル中で借金を抱えているうえに、とんでもない問題に巻き込まれてゆきます。ドラッグとバイオレンスが満載のポップスリラーで、こういうジャンルが好きな人にとっては癖になる作品とのこと。続編2作も後日アップする予定です。 (注:本ブログでご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです。キャンペーンが終了するとこのページでも読めなくなりますので、ご了承ください) Caught Stealing by Charlie Hustonhttp://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=8784446&access_key=key-1rytfcacneuexn4v7yy9&page=1&version=1&viewMode= Publish at Scribd or…