Month: May 2010

洋書に慣れるためには、ともかく沢山読むのが一番

ということで、今日は洋書ではなく、私も寄稿している「多聴多読マガジン」という隔月マガジンのご紹介です(6月号では電子書籍とキンドル、iPadなどについて書いています)。 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=B003G4STIM 私は面倒くさがりなので英語の本を読むときに辞書をひかずに読み続けてきました。面白い発見は、知らない単語の意味を、いつの間にか「知っている」ことです。自分で「私って天才かも」と感動したことがありましたが、母国語の日本語だってそうやって身につけたのですから当然なのですよね。 米国で15年、その前の14年も英国など海外をうろつく落ち着かない生活をしていた私は日本の事情に非常に疎く、1年くらい前まで「多聴多読」というコンセプトや表現なんか知りませんでした。辞書を引かずに分かる程度の英語を沢山読んで、聴く。これを繰り返しているうちに自然に英語が身に付く、という考え方は、私が他人に偉そうに教えて来た方法とそっくりです。つい、「盗んだんじゃありませんよ」と言い訳したくなってしまいました。 多聴多読マガジンは、「洋書を読みたいのだけれど、どこから始めてよいのかわからない」あるいは「私にはモチベーションが必要だ」という方に、ぜひお薦めしたい雑誌です。ここに書かれていることはいずれも、 "it makes sense!"ですし、マガジンに載っている読み物とCDをこなせば、着実に英語力は上がって行くと思います。読むものも聴くものもぎっしり詰まっているので、全部利用すればお得な内容です。 とはいえ、私のように天の邪鬼でめんどくさがりの人もいるでしょう。そういう方は、だいたい意味が分かる簡単な本から挑戦し、どんどん数をこなせば良いと思います。要するに、自分が気楽にできて、長続きする方法を見つけるのが一番なのです。 *洋書ファンクラブJr.の個別指導プログラムは、個々のお子さんに合わせた読書指導方法ですので、「多聴多読」とは異なります。

乾いたカンザスの田舎に蘇る地主一家の過去 The Scent of Rain and Lightning

Nancy Pickard336ページ(ハードカバー)Ballantine Books2010/5/4ミステリー http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0345471016 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0345471016 The Virgin of Small Plains でエドガー賞最終候補になったNancy Pickardの新刊。 カンザス州Roseは、牛の牧場を営む大地主のLinder一家を中心とした、狭い人間関係でなりたっているような田舎町である。 1986年、干ばつが続いていたRoseを激しい雷雨が襲い、Linder家の長男 Hugh-Jayが何者かに自宅で銃殺され、妻のLaurieが行方不明になる。2人の殺人罪で逮捕されたのは、Linder家が首にしたばかりのBilly Crosbyだった。…

予告篇:みんなで読もうThe Omnivore’s Dilemma (Young Readers Edition)

洋書ファンクラブJr.で読書指導をしているMoeさん(小4)の提案で、The Omnivore's Dilemma(Young Readers Edition)を読み始めました。私たちが何気なく食べている食品について、いろいろと考えさせられる本です。そこでいつものように1冊全部を読んで感想を話し合うのではなく、少しずつに分けて深く話し合うことにしました。 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0803735006 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0803735006 その内容を「洋書ファンクラブJr.」のほうに連載してゆきますので、ご興味のある方は、ぜひご覧になって、話し合いに参加してください。(その1) 私たちが読んでいるのはベストセラーになったThe Omnivore's Dilemmaのほうではなく、小学校高学年から中学生向けに編集し直したYoung Readers Editionのほうです。両方持っているMoeさんによると、大人向けのほうには図がまったくないけれどもYoung Readers Editionのほうには図や絵が多いので読みやすいということです。小学校高学年から、と言っても化学のみならず政治経済に及ぶ内容がけっこう複雑で、日本であれば高校生レベルだと思います。したがって、洋書のノンフィクションを読んでみたい日本人の大人におすすめです。…

マーク・トウェインの自伝、死後100年経ってついに出版へ

トム・ソーヤー、ハックルベリー・フィンなどで有名なマーク・トウェイン(Mark Twain)の自伝が没後100年の今年、ついに出版されることになりました。 トゥエインはなんと5000ページにわたる自伝を書き上げていたのですが、「死後最低100年は出版しないこと」というメモ付きで残していました。その真の理由は学者たちのディスカッションに任せるとして、The Independent紙が挙げているわかりやすい説明は、「知り合いに迷惑をかけない」ことです。でも、私が支持したいのは、「出版を遅らせることで、セレブのステータスが好きだった著者は、21世紀でもゴシップをしてもらえることを確実にした("by delaying publication, the author, who was fond of his celebrity status,…

ファンタジー世界の案内書 Instructions

Neil Gaiman (文)Charles Vess(イラスト)40ページ(ハードカバー)HarperCollins2010年5月1日 絵本/童話/ファンタジー/詩 /4 歳〜ファンタジーの心を忘れない大人対象 http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0061960306 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0061960306 ファンタジーが好きで、ありとあらゆる洋書ファンタジーを読んでいる人であれば、そこにはある共通の約束事があることに気づいているだろう。Neil GaimanのInstructions は、ファンタジーの世界でクエストをやり遂げ、わが家に無事帰還するためのInstructions(指示)が載っている旅先案内書である。表向きは4〜8才むけ児童書だが、実際はファンタジーマニアの大人向けの案内書ではないかと私は睨んでいる。 例えばこの一節だ。 Walk through…

ある若者のパーソナルブランディング実体験 Me 2.0

Dan Schawbel236ページ(ソフトカバー)Kaplan2009年3月31日初版(改訂版は2010年10月発売予定)ビジネス/マーケティング/パーソナルブランディング http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=1427798206 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=1427798206 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=4822248054 先日、日経BP社から邦訳版が出版されたMe 2.0ですが、アマゾンの内容紹介がちゃんとまとめてくれているので、それを引用させてもらうことにします。 ◆ツイッター、ウェブサイト、ブログで「自分の価値」をアピールする!ツイッター、ブログ、ウェブサイト——インターネットは、いまや「実名」で 自分らしさや強みを表現し、直接、企業や個人同士がビジネスを展開する場になってきています。 他人にはない自分の価値を「自分の ブランド」として認識して、ツイッターやブログといったソーシャルネットワークを通して、多くの人に認識してもらう。肩書きや目標を問わず、す べての人が価値ある自分ブランドを持ち、それを堂々と掲げていく——それが「Me2.0」です。 一方、ソーシャルネットワークは単なる道具でしかなく、自慢話と自分をマーケティングすることは別物です。本書は、具体的なエピソードも豊富に紹 介しながら、パーソナルブランディングに不可欠な、冷静の自己分析と地道な日々の活動・努力、心構え、相手との接し方、「本物の自分」を きちんと打ち出していく方法を説明していきます。就職、起業、キャリアづくりにどう結びつけていけばよいのかもわかります。…

懐かしいハードボイルドの雰囲気がある北欧ミステリーの最新版 The Devil’s Star

Jo Nesbø464ページ(ハードカバー)Harper 2010/3/1ミステリー/心理スリラー/刑事もの http://rcm.amazon.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&asins=0061133973 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&m=amazon&f=ifr&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&asins=0061133973 ノルウェーのオスロ警察のHarry Hole刑事は、同僚が汚職刑事Tom Waalerによって殺害されたと信じているが、Waalerが上司から信頼されるエリートであるために職場で辛い立場に立たされる。心の痛みをアルコールで癒すHarryは愛する女性Rakelから愛想を尽かされ、直接の上司から解雇を言い渡される。 全てを諦めてしまったかに見えたHarryだが、猟奇的な連続殺人が起こり、上司は一時的にHarryの勤務を許す。 最初の殺人は、一人暮らしの若い女性で、人差し指が切り取られ、瞼に赤い星形のダイヤモンドが押し込まれていた。その後5日間隔で起こった3つの殺人にHarryは共通点を見いだす。連続殺人の調査でWaalerに協力することを強いられたHarryは、Waalerから武器密輸入などの陰の組織に加わるよう勧誘され、それに従わない場合には彼が最も愛する者たちに危害を加えると脅される。 汚職刑事と協力して解く連続殺人の犯人探し、そして汚職刑事との対決の行方、登場する多くの男性と女性の複雑な愛の関係、など多くのストーリーが複雑に絡まっている読み応えあるミステリー/心理スリラー ●ここが魅力! まず気に入ったのが、昔懐かしきハードボイルドの雰囲気を持つ主人公のHarry Holeです。 酒の誘惑に負けてしまいそうな弱さと、正義を守り抜こうとする強さ、そして事件を解決するのが生活の全てになってしまうほどの仕事中毒でありながら、好きな女性のことが頭を離れない。アル中でボロボロに疲れているくせに少年のような瞳を持ち、常にクールに構えているのにロマンチスト…。同じ北欧作家のミレニアムシリーズ(The…

発売1ヶ月後、電子書籍リーダーとしてのiPad

iPad発売から1ヶ月が過ぎ、先日はiPadの販売数が28日で100万台を超えたという発表がありました。そのときに伝えられたebooksのダウンロード数は150万でした。大きな数字ですが、1台につき1.5冊のダウンロード数というのはさほど多くありませんし、有料のebooksの販売数ではありません。また、最初のうち物珍しさでダウンロード(あるいは本の購買)をするのがユーザー心理ですから、電子書籍リーダーとしてはまだその力を発揮していないという印象です。 O'Reilly Raderが、iBooks Appで購入可能なタイトル46,000(O'Reillyに分かっている範囲で、無料を含む数)の内訳を載せていますので、ご紹介したいと思います。 まずは出版社別です。このように無料の Project Gutenbergの数が圧倒的です。 そして次はジャンル別です。ビジネス書の3%より宗教の7%が遥かに多いというのも私にとっては興味深いデータです。というのは、キンドルではビジネスマンは非常に重要なユーザーだからです。 発売からまだ1ヶ月しか経っていないiPadの電子書籍リーダーとしての価値を判断するのは早すぎると思います。けれども、もし私がiPadを購入したとすれば、iBooks AppではなくKindle for iPadをメインに使うのではないかと思います。iBooks APPから購入するのは、そこでしか買えないような特別な本のみでしょう。また、私がiPhoneでStanzaを使うときのように、(Project Gutenbergのような)無料のebooksをダウンロードして読むだけ、というユーザーもいるのではないかと思います。今後の行方が気になるところです。 *これまでの記事もどうぞ…