Month: May 2009

The Name of the Windの第二部(の原稿)がようやく完成!

今年4月に発売予定だったThe Name of the Windの校正が遅れていることを以前に書きましたが、どうやらようやく原稿が完成したようです。 作者のPatrick Rothfussのブログにその記事が載っているのですが、原稿の写真を見て顎が外れそうになりました。印刷用紙1500枚以上で、コンピューターがスペルチェックするのに6時間かかったというのですよ! どうやってこれを1冊の本にまとめるのでしょうか? それに、これはまだ三部作の第二部なんですよ。 すでに結末の予測を立てている私の心に平和が戻るのは何年後なのでしょうか?

60年後のHolden Caulfield?Are you kidding?

新人作家による60 Years Later: Coming Through the Rye という作品が、アメリカより一足先に英国で発売されました。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=9185869546&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=9185869546&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 60年後のHolden Caulfieldが主人公ということですが、J.D. Salinger まだ生きてるんですよ。わが家からそう遠くないニューハンプシャー州に住んでいて、ダートマス大学の図書館をうろついているという噂を耳にします。Pride and…

Elric-マニア向けファンタジーの古典オンライン無料購読

Elric of Melniboné(メルニボネのエルリック)と聞いてすぐにピンとくる人は、相当なファンタジーファンでしょう。fantasyの中でも1960年くらいまでに作られた、剣や魔法が出てくるジャンルはhight fantasyと呼ばれています。1961年から書かれたElricサーガもそのひとつで、英語圏では「これを読んで育った」というマニアックなファンがけっこう存在するようです。もちろんコミックや映画化が試みられましたが、コミックはすぐに中止、映画化も実現せずにこれまできました。 ところがようやく別の製作者で映画化が実現することになりました。今回はたぶん本当です。なぜならランダムハウスがこうして第1巻のe-bookを無料提供しているのですから。 主人公のElricは人類の前に1万年にわたって世界を支配したメルニボネ帝国の最後の皇帝で、先天性白皮症(アルビノ)のアンチヒーロー。パワフルな魔力を持つものの、生まれつき虚弱体質のために薬と魔剣Stormbringerの助けがないと生存できない。Elricは、自分の存在の意味を探索しようとするが、破壊と悲劇をくりかえす。Stormbringerの力に頼るElricだが、この剣は吸血鬼のように人の命を奪うことでパワーを得る邪悪な存在でもある。このサーガではElricとStormbringerとの複雑な関係が主軸になっている。 アルビノでニヒルで悲劇的な主人公のElricは絵になる存在ですから私も中学生のころであれば漫画的に楽しめたと思います。現在の私の好みではありませんが、熱狂的ファンが多いのも事実です。日本では80年代~90年代に邦訳版がされているようですが、原作で読むチャンスはなかなかないと思います。ご興味ある方はぜひこの機会にどうぞ。でも、60年代のオリジナルからは抜けている箇所があるようで、状況がつかめにくいかもしれません(私は少々混乱しました)。その他の情報はWikipediaでどうぞ。 (注:本ブログでご紹介するのは、著者または出版社のキャンペーンとして無料になっているもの、あるいは著作権が消失したものです。キャンペーンが終了するとこのページでも読めなくなりますので、ご了承ください) スクリーンの右肩の□でフルスクリーンにすると読みやすくなります Elric: The Stealer of Souls by…

Amazonが新たな出版プログラムAmazon Encoreを開始

AmazonがAmazonEncoreという出版ビジネスを始めることを発表しました。 その第一作に選ばれたのは、16歳の少女Cayla Kluverの自費出版ファンタジーLegacy。これを読んで私はびっくり。というのは、昨年出版と同時に「これはすごい!」と思って購入していたからです。Legacyは三部作の第一部で、その後あまり売れている様子がないので、「続きはどうなるのだ?」と心配していたところでした。 Amazonはハードカバーのほかに、オーディオとKindle版も発売する予定です。 http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=1595910557&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 CaylaがLegacyを書き始めたのは3年前、まだ13歳のときで、完成したときは14歳。ちょうどファンタジーファンが多い年齢層です。でも、主人公のプリンセスは17歳という設定で、内容は14歳の子が書いたとは思えないほど完成度が高いものでした。書評は洋書ファンクラブでどうぞ。

面白そうな科学分野の新刊

科学分野のノンフィクションについてのお問い合わせをいただきましたので、今月発売の新刊あるいはこれから出る新刊のうち、私が興味を抱いている本をご紹介します。いくつかは今月末に参加するBook Expo Americaで入手できると思いますので、おいおい書評のほうも。 1. Wicked Plants: The Weed That Killed Lincoln’s Mother and Other Botanical…

2012年をテーマにした本がどっと出てきそう

2012年に世界が終わるという予言があるらしくて(そういうのあんまり興味ないので意図的に無知)、やたら2012をテーマにした本を目にするようになっています。 そんなとき、Book Expo Americaのプレスを対象にしたパーティの招待状が届きました。Vanguard Press、McArthur and Company、そしてPlanetChange2012が主催する、The Twelveという小説のプロモーションのためです。場所もThe Yale ClubのLibraryというなかなか由緒ある場所です。 出版社がこれだけ力を入れているということは、たぶん相当「売れる」という勝算があるのでしょう。けれども、PlanetChange2012も9月9日に発売予定のThe Twelve という小説もまだ情報がほとんどありません。BEAでどっかんと宣伝するつもりなのでしょう。 世紀末には興味ありませんが、そういう本でもなさそうですし…、出版社の思う壺なのでしょうがとりあえず興味は持ちました。

小さなアマチュアがでっかいインディバンドを育てあげた-Our Noise

Book Expo Americaで入手するリストのNo.1は、Algonquin BooksのARCsが出来上がったばかりのOur Noise。発売は今年の9月。 10年前に2人の20代のミュージシャンが始めたMerge Records は、大ヒットしたArcade Fireの Neon BibleやSpoon, the Magnetic Fields, Superchunk,…

永久に待っていてくれる森の住人たち-Winnie-the-Pooh

A.A. Milne1926年初刊児童書(幼児から小学生対象) http://rcm.amazon.com/e/cm?t=yofaclja-20&o=1&p=8&l=as1&asins=0525444475&md=10FE9736YVPPT7A0FBG2&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0140361219&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=yukariscott-22&o=9&p=8&l=as1&asins=0140361227&md=1X69VDGQCMF7Z30FM082&fc1=000000&IS1=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1 幼年期の脳の発育にとって最も大切なのは、愛情、安心、年齢に適した刺激だといわれます。親が話しかけてあげるのは、そのうちのすべてを満足させる大切な行為です。愛情や安心を与え、空想の世界を広げるような本を読んであげることもそうです。 A.A.Milneが作り上げたThe Winnie-the-Poohの世界はそれにぴったりです。いつもぼんやりしていて蜂蜜の誘惑に抗えないPoohと小心者のPiglet、神経質なRabbit、悲観主義のEeyore,世話焼きのお母さんKangaと子供らしいRoo、博識そうで実はちょっとそれが怪しいOwl、そして落ち着きのないTigger(The House at Pooh Cornerで登場)、と現実世界の人々を連想させる多様な住人たちですが、現実世界のように意地悪をしたり傷つけあったりはしません。互いに苛立つことがあっても、仲良しです。起こる出来事や冒険も、Poohが食べ過ぎてRabbitのドアに詰まったり、北極点を発見したりするくらいです。怖いことが起こらない安全な”100 Aker Wood”の中で自由に冒険きるのも幼い子供に適しています。旧式の英語ですし、礼儀正しくまわりくどい会話や、Poohの詩には大人でもぴんとこないかもしれません。でも、内容がちゃんとわからなくても、お母さんやお父さんの声を聴くだけで幼児は「愛情と安心」を感じとることができますから、ベッドタイムに本を読み聞かせるのはよいことだそうです(でも、単語を教えようとしたり、一度に長く読みすぎたりして、読書を勉強として扱うと非常に有害になりますからくれぐれもご注意ください)。あくまで、楽しい時間を共有するのが目的です。 これは、私が24歳のときに「将来わが子に読んでやる」ことを夢見てロンドンで購入したThe…